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RFIDの通信距離はどれくらい?距離に関わる要素を解説

RFIDは、バーコードや2次元コードに比べ通信距離が長く、遠い位置にあるタグも読み取れる点が特徴です。ただし、RFIDはさまざまな要素によって通信距離が変わります。RFIDのメリットを活かすには、用途ごとに距離を調整することが重要です。

本記事では、RFIDの通信距離を決める要素や注意点などについて解説します。

1.RFIDを活用するメリット

さまざまな場所で導入されているRFIDには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。RFIDを活用するメリットをご紹介します。

遠くにあるタグも読み取れる

RFIDは無線通信を行うため、UHF帯域の最大の場合は、数メートル離れた場所からでもタグの読み取りができます。
リーダーの精度や周波数などにも左右されますが、手が届かない場所にあるタグの読み取りも可能です。
高い位置にあるものを下ろしたり、毎回読み取りを行う対象物の近くに行ったりする必要がないため、読み取る対象物が多い物流倉庫や製造工場などでも導入されるケースが見られます。

また、梯子を昇り降りしたり重い荷物を持ったりする手順が不要となり、現場の従業員の安全確保につながる点もメリットです。

タグが見えていなくても読み取れる

RFIDは、タグ同士の間隔があいていれば、読み取る際にタグが見えている必要はありません。RFIDの通信範囲内であれば、箱を開けずに読み取ったり、表面が汚れているタグを読み取ったりすることもできます。

例えば、段ボールなどにたくさんの商品を入れている場合でも、箱を開けずに中身の確認が可能です。わざわざバーコードや2次元コードのように、商品を取り出す必要がないので、棚卸し業務の手間を大幅に削減し、効率化につなげられるでしょう。

2.RFIDの通信距離に影響する要素

RFIDは、さまざまな要素で通信距離が変化します。使用する際は、何が通信距離に影響を及ぼすのかを理解しておくことも重要です。
RFIDの通信距離に影響する主な要素としては、以下の3つが挙げられます。

通信方式

RFIDは、無線通信を活用してリーダーでタグの情報を読み取る技術です。通信方式は、電磁誘導方式と電波方式の2種類に分けられ、それぞれ通信できる距離が異なります。

電波誘導方式とは、コイル型のアンテナを用いたリーダーとRFIDタグの間に磁界を発生させ、データのやり取りを行う通信方式です。電波誘導方式の周波数帯には、135kHz以下のLF帯(通信距離3~30cm以内)と、13.56MHzのHF帯(通信距離5~50cm以内)があります。

一方、電波方式は、平板型のアンテナを用いたリーダーとRIFDタグ間でデータのやり取りを行う通信方式です。周波数帯には、920MHzのUHF帯と2.45GHzのマイクロ波の2種類があります。

UHF帯の通信距離は数メートルと長く、複数のタグを同時に読み取る性能も高いです。アクティブタグの場合、出力電力次第ではさらに長い距離の通信が行えます。このため、バックヤードの棚卸しや、物流の入出荷管理といった用途で活用する例が多く見られます。
一方で、マイクロ波もUHF帯と同じ電波方式ですが、通信距離は1メートル程度となります。電波干渉の恐れがある点にも注意が必要です。

アンテナの性能やタグの大きさ

電波の受信や送信を行うアンテナの性能も、RFIDの通信距離に関わる重要な要素です。RFIDのアンテナは、効率的にタグを読み取るために、電波を特定の方向へ集中する(指向性がある)ように設計されています。

電波を特定の方向に集中した場合と、しなかった場合の電波強度の差を「利得」と呼びます。アンテナの利得が高いと、特定方向に強い電波を発信したり、小さい電波を受信したりすることが可能です。
ただし、利得(指向性)が高すぎると他の方向からの電波を受信できず、タグを読み取れなくなる恐れもあります。

また、RFIDタグは本体のサイズが大きいほど通信距離も長くなる傾向がある点もポイントです。

電波の出力

電波の出力レベルも、データを読み取りできる距離に影響を与える要素です。リーダー本体の電波出力を上げれば、読み取り距離は長くなります。電波の照射範囲も広がるため、広い範囲のタグの読み取りが可能です。

一方、リーダー本体の出力が弱いと読み取れる距離や範囲は狭くなります。商品タグを読み込むセルフレジや、RFIDタグにデータを書き込む場合などは、他のタグへの干渉を防ぐことができる、弱い電波出力が適しています。

また、日本の電波法において、251mW(ミリワット)以上の電波を発するリーダーは無線機器の登録申請を行う必要があり、1Wを超える電波出力のRFID機器の使用は認められていません。
海外製のRFIDリーダーを使用する際には注意しましょう。

使用環境にも注意

一般的に、RFIDは箱の中にあるタグや壁を隔てた場所のタグでも読み取れますが、金属製の障害物がある場合は注意が必要です。電波が金属に反射されてしまい、読み取り精度が落ちることもあります。金属製の商品にラベルを張り付けた場合も同様です。
ただし、ものが金属製の障害物から離れた場所にある場合は、電波が障害物を回り込むため、タグを読み取ることができます。

また、アンテナに対してタグが垂直方向を向いている、タグ同士が重なっているなどの理由によって、読み取れなかったり読み取りに時間がかかったりする恐れもあることに注意しましょう。

3.RFIDを導入する際のポイント

棚卸しなどの作業効率が見込めるRFIDですが、導入の仕方によっては思っていたような効果が見込めない場合もあります。RFIDを導入する際は、次のポイントに注意が必要です。

目的に応じたRFIDを導入する

RFIDタグごとに特徴や性能が異なります。何を読み取りたいのか、どのような環境で使用するのかなどを考慮した上で、最適な種類のRFIDタグやラベルを選ぶ必要があります。

例えば、金属製品の読み取りをしたい場合には金属対応のタグを用意する、遠くにあるものを読み取りたい場合は高出力タイプのリーダーを選ぶといった工夫が必要です。

無線申請の有無に注意が必要

前述のように、高出力のRFIDリーダーを使用する場合は総務省への申請が必要です。使用時の出力が250mW以下でも、それ以上の出力規格の製品は申請が必要な点に注意しましょう。

また、技術基準適合試験(電波法に基づき、基準に適合しているか確認する試験)をクリアしたことを証明する「技適マーク」が付いていないRFIDリーダーやアンテナ等の設備は、日本国内では使用できません。RFIDを選ぶ時は、信頼できるメーカーに相談した上で導入すると安心です。

4.RFIDの導入事例

サトーのRFIDを導入した企業の事例として、三菱ケミカル株式会社様の事例をご紹介します。

RFID技術を活用し工事の安全管理を実現

三菱ケミカル株式会社様は、総合化学メーカーです。茨城事業所では、石油化学の基礎製品を製造しています。2年に1回行われる定修工事の際は工事の受付や工事終了後の日報の確認などに時間がかかり、時間業務が増えることが課題となっていました。
同社では、課題解決に向けてサトーのRFIDを活用した工事安全指示書受付システムを導入。工事に関わる管理業務プロセスを改善し、効率化と一層の安全管理を実現しました。

【導入前の課題】

  • 定修工事の工事安全指示書着工受付に30分/人かかり、順番待ちが発生
  • 受付と協力会社への安全確認などの説明で、工事開始が遅延
  • 工事安全指示書終了受付や日報作成、翌日工事着工の準備なども同様の状態で、多くの工数が発生

【導入による効果】

  • RFIDによる指示書一括読み取りシステムを導入し、受付は数十秒/人で完了
  • 業務フローを維持したまま、RFIDを活用した受付管理や日報のデジタル化による合理化を実現
  • 待ち時間が短縮されることで細部の認識を合わせる時間を確保でき、より一層の安全管理を実現

具体的な事例内容については、以下もご確認ください。

5.RFIDは適切な通信距離の製品を選ぼう

RFIDは、製品によって通信距離が大きく異なります。
通信距離が長いものほど、倉庫での在庫管理や棚卸しといった現場では便利です。一方で、セルフレジやデータの書き換えといった用途であれば、通信距離は短いほうが使いやすいでしょう。
RFIDをどのような場面で使いたいか考慮して、用途に適したものを選ぶことが大切です。

サトーでは、お客さま企業の経営課題に応じたRFIDのご提案が可能です。顧客価値の最大化を目指し、事業成功につながる最適解を提供するサトーに、ぜひご相談ください。

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