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ラベルにおける粘着剤の重要性と種類ごとの違い

業務用のラベルは、使用用途や環境に合わせてさまざまな種類の紙が使われています。また粘着剤(糊)にも複数の種類があり、用途に応じて使い分けられています。

そのためラベルを使用する際は粘着剤にも注目することが大切です。
ここではラベルに使われている粘着剤の種類や特徴、サトーで取り扱っているラベル製品についてご紹介します。

1.ラベルの役割

ラベルの主な役割は商品の識別や管理、情報伝達などです。製品の生産工程においては品質管理や生産管理にも使用されます。

商品や資材をはじめ店舗や工場などさまざまな現場で使用するモノは、どこに何がどれくらいあるのか、いつ作られたのかといった情報を管理しなくてはなりません。
ラベルを貼り付けることでモノに関する多くの情報の一元管理が可能です。また使用期限や使用方法を伝えたり商品のデザイン性を高めることも可能です。

2.粘着剤の役割

一般的なラベルは表面素材、粘着剤、台紙(剥離紙または剥離フィルム)によって構成されています。そのなかでもラベルの特性に大きな影響を与えるのが粘着剤です。

粘着剤は接着剤とは異なり硬化時間がなく、手で軽く圧着するだけですぐに貼り合わせられる特徴を持ちます。粘着剤によって「貼ったら剥がれない」「何度も貼り換えられる」などさまざまな特性があります。被着体(粘着剤などによって接合されるモノのこと)や用途に応じて粘着剤を選ぶことでラベルの用途をさらに広げられます。

3.素材別の粘着剤の種類

ラベルに使われる粘着剤は、大きく3つの種類に分けられます。

  • アクリル系粘着剤
  • シリコーン系粘着剤
  • ゴム系粘着剤

ここでは素材別の粘着剤の種類とそれぞれの特徴をご紹介します。

アクリル系粘着剤

アクリル系粘着剤は、アクリルモノマーを共重合することで合成されたアクリルポリマー(アクリル樹脂)から作られた粘着剤です。透明性や耐候性、耐熱性、耐溶剤性などに優れています。

繰り返し剥がして使用するラベルから強い粘着力が求められるラベルまで、さまざまな用途で使われています。

アクリル系粘着剤は耐熱性や高温多湿への耐性に優れているほか、ガラスや透明プラスチック、スチールなどの被着体と相性が良いことが特徴です。

シリコーン系粘着剤

シリコーン系粘着剤は耐薬品性や耐水性に優れ、使用できる温度の範囲が広いのが特徴です。シリコーンゴム同士や金属、フッ素樹脂の粘着剤として使用されます。
再剥離性や電気絶縁性にも優れ、さまざまな被着体に対して高い粘着力を発揮します。

また気温による粘着力の変化が少なく熱くなったり濡れても剥がれにくいことや、貼り付け時に気泡が入りにくいことがメリットです。

ゴム系粘着剤

ゴム系粘着剤は、幅広い被着体に対して強い粘着力を持つのが特徴です。
ただしゴムは熱に弱いため耐熱性や耐候性が劣る点に留意する必要があります。

ゴム系粘着剤に使われる成分は合成ゴム系と天然ゴム系があります。
天然ゴム系は粘着力が弱いため、粘着付与剤を添加するケースが多いです。

合成ゴム系は人工的に合成したゴム素材で用途に合わせて調合できるのが特徴です。濡れ性に優れ、LSE(低極性、難接着材料)との相性がよい点も特徴です。

4.粘着剤の性質による違い

粘着剤にはエマルジョンやソルベント、ホットメルトといった性質による違いもあります。ここからはそれぞれの性質の違いについてご紹介します。

エマルジョン

エマルジョン系粘着剤は合成樹脂のポリマーを水中に均一に分散させた粘着剤です。
環境に優しく粘着力や保持力、曲面接着性に優れています。
水溶系の粘着剤であるため引火の危険性や毒性の心配が少ない点も特徴です。

ただし、エマルジョン系粘着剤は溶剤系粘着剤と比べて乾燥時間が長く耐水性や耐熱性に劣ることがある点には注意が必要です。水に弱いため一般的には紙素材の粘着剤として使われています。

ソルベント

ソルベント系粘着剤は有機溶剤を使用した粘着剤です。
乾燥が早く耐水性や耐熱性に優れており、剥がしても糊残りが少ないのが特徴です。ラベルに使われるソルベント系粘着剤はアクリル系やゴム系などがあります。
ソルベント系粘着剤はフィルム基材に使われることが一般的です。

ホットメルト

ホットメルト系粘着剤は常温では固体ですが、熱を加えることにより液体になる性質を持つ粘着剤です。冷却にともなう固化によって接着を行います。

ラベルに使われるホットメルト系粘着剤は低温でも貼り付きがよく、耐水性や耐熱性に優れています。また有機溶剤を含まず毒性がないことに加え、乾燥工程も不要な点も特徴です。

5.用途別の粘着剤の種類

素材や製法を組み合わせることで、粘着力の違いや特定の被着体への貼りつきやすさなどさまざまな特性を持つ粘着剤が作られます。

  • 強粘着
  • 弱粘着
  • 再剝離
  • 再貼り付け
  • 特殊用途

ここでは粘着剤の種類とそれぞれの特徴、どのような目的に適しているかご紹介します。

強粘着

一度貼り付けた後、基本的に剥がさない目的で使用する粘着剤です。
粘着力の強さは被着体の素材に応じて複数の種類があり、より強力な超強粘着タイプなどもあります。

弱粘着

一度貼り付けた後、基本的に剝がさない目的で使用する粘着剤ですが、強粘着よりも粘着力が弱く剥がす用途でも使用できる粘着剤です。粘着力は弱いですが、被着体によっては表面を傷める恐れがあるため使用の際は確認が必要です

再剝離

一定期間使用した後、剥がす必要がある際に適した粘着剤です。
剥がした際、粘着剤が残らない必要のある衣服や雑貨をはじめ、店内のPOPやアイキャッチ、工程管理といった用途のラベルに適しています。

再貼り付け

一度貼って剥がしたラベルを再び貼って使用できるタイプの粘着剤です。
何度もラベルを剥がす必要のある通い箱やコンテナ、また段ボールでもきれいに剥がして再度貼り付けることが可能です。

特殊用途

特殊な環境や用途に適した粘着剤です。
例えば、粗い面への貼り付きを向上させたタイプや油分が付着した面に使えるタイプ、超低温環境でも使えるタイプなどがあります。
目的や用途に適した粘着剤を活用することによって、ラベルを確実に貼り付けることが可能です。

6.サトーのラベルで使われる粘着剤の種類

粘着剤は貼りつける対象物や用途、使用環境にあった種類を選ぶことが重要です。
サトーでは強粘着や弱粘着といった一般的な粘着剤に加えて、特殊な環境や状況でも使える粘着剤を取り扱っています。

「油面糊」や低温環境向けの「冷凍糊」など、現場に適した粘着剤をご提案することが可能です。

7.ラベルを活用した導入事例

ラベルに使用する粘着剤の重要性を理解するためには実際の導入事例を参考にすることも有効です。ここからは、サトーのラベルを活用した事例をご紹介します。

鋼材向け管理ラベルの導入により工数削減と検品精度が向上

鉄鋼製品を生産する太陽サカコー株式会社様では、工場を構える坂出市で冬の平均最低気温が2℃になるため、従来のラベルでは製品に貼り付きにくい点が課題でした。
屋外での保管や船上での運搬時、風雨の影響で剥脱することも多くあったそうです。
また月間1,200枚ほどにもなる部材に対してラベルを手作業で貼る必要があるため、現場の工数が肥大化していたことも大きな課題でした。

そこでラベル剥脱の問題を解決するためにサトーにご相談いただきました。
「合成紙」と「特殊糊」の組み合わせによる粘着力の強いラベルに変更したことでラベル剥脱の発生を抑制。これにより人手や資材費が削減できた点も大きなメリットです。

【導入前の課題】

使用素材:コート紙+強粘糊
  • 製品(鋼材)が低温状態の場合、ラベルの貼り付きがよくなかった
  • 製品の表面が平滑ではないためラベルが貼り付きにくかった
  • 屋外保管・運搬時、風雨の影響によりラベルの剥脱が散見された
  • ラベルの貼り直しや剥脱を防ぐ補強作業などに多くの工数が発生していた

【導入による効果】

使用素材:合成紙+特殊糊
  • 粘着力の強い特殊糊の活用により、低温時や粗面でもラベルが貼り付きやすくなった
  • 合成樹脂ラベルのため雨が染み込まず剥脱の抑制につながった
  • 作業工数の削減により検品の充実やお客さま満足度の向上が実現した

具体的な事例内容については、以下もご確認ください。

8.ラベルを使う際は粘着剤の確認が重要

ラベルの性能は使用する粘着剤によって大きく左右されます。
ラベルの表面だけではなく、使用されている粘着剤にも注目してみてはいかがでしょうか。

サトーのラベルは基材開発や製造から出荷までをすべて自社内で行っています。お客さまのご要望にお応えし、数百を超える基材から表面基材や粘着剤を組み合わせ、最適なラベルのご提案が可能です。

品質管理および品質保証に関する国際規格(ISO9001)や環境マネジメントシステムに関する国際規格(ISO14001)の取得、サトー独自の環境基準の制定など安心を提供する環境づくりも行っています。また自社プリンタでのテストも行っており、お客さまが安心してお使いできるラベルをご提供します。

プリンタやラベルに関するお悩みがある際はサトーへお気軽にご相談ください。

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