当ウェブサイトでは、お客さまにより良いサービスを提供するため、Cookieを利用しています。Cookieの使用に同意いただける場合は「同意」ボタンをクリックし、Cookieに関する情報や設定については「詳細を見る」ボタンをクリックしてください。

  1. ホーム
  2. 業種別
  3. お役立ちコラム
  4. RFIDが金属の影響を受けやすいのはなぜ?金属製品にRFIDタグを活用する方法

RFIDが金属の影響を受けやすいのはなぜ?金属製品にRFIDタグを活用する方法

近年、RFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)は、幅広い用途で使われています。導入を成功させるには、用途に合わせた機器選定や現場検証が重要ですが、特に注意が必要となるのが金属の影響です。

RFIDの中でもUHF帯は金属に弱い特徴があります。貼り付ける対象物が金属製の場合は、貼り付け方の工夫や、金属対応タグの使用が必要です。
ここでは、RFIDが金属に弱い理由や金属対応の特殊タグを使用するメリット、具体的な活用例などをご紹介します。

1.RFIDが金属に弱い理由

RFIDは、電波を用いてデータの読み取りを行いモノの識別や管理を行う技術のことです。工場や倉庫、小売店の店舗、図書館など、さまざまな場面で使用されています。RFIDにはUHF帯やHF帯など複数の周波数帯がありますが、中でもUHF帯は金属の影響を受けるため注意が必要です。

金属面に直接貼り付けた場合、タグのアンテナを構成する金属と貼り付け対象の金属が一体化し、電界(電気の作用が働く場所)がなくなってしまうために電波による通信が行えなくなります。

また、金属に反射することも読み取りを阻害する原因となります。
RFIDタグとRFIDリーダーの間に金属がある場合、電波が遮断され読み取りができなくなります。タグに向かって電波を飛ばした場合、リーダーからタグに向かう電波は、金属に反射してタグからリーダーに返す電波に干渉します。これにより、リーダーからタグに向かう電波は弱まって、結果として読み取りが悪くなります。

一方で金属に囲われた環境では、電波の乱反射が起こってタグ受ける電波強度が強まり、逆に読み取りが良くなったり、金属を伝って意図せず遠くのタグまで電波が届いてしまう場合もあります。このような場合は読み取りを行う現場環境の調整が必要です。

液体(水分)の影響もUHF帯の弱点の一つです。水分は電波を吸収するため、読み取り感度を落としたり、読み取りができなくなる可能性を高める要素です。

2.金属面にRFIDタグを貼り付けるには?

RFIDタグを貼り付けたい対象物が金属製の場合、以下2つの方法が考えられます。

  • 金属面から離して貼り付ける
  • 金属対応のRFIDタグを用意する

金属面から離して貼り付ける

金属がRFIDタグの読み取り精度に影響を及ぼすのは、RFIDタグが金属面に触れていたり、近すぎる場合です。そのため金属面からできるだけ離れた場所にRFIDタグを貼り付けることによって読み取り感度の低下を回避できる可能性があります。ただし、金属面から少し離して設置した場合でも金属面が電波を反射し、RFIDタグからRFIDリーダーへの通信を干渉して電波の強度を弱め、結果として通信距離が短くなることもあります。

また、RFIDリーダーに接続されるアンテナの設置場所と方向も重要なポイントです。
電波の受信と送信を担うアンテナは金属面から十分な距離を確保し、読み取り範囲を最大限に広げるために適切な調整を行う必要があります。

そのほか、UHF帯に比べて金属や水分の影響を受けにくいHF帯(13.56MHz)のRFIDの採用も有効です。特に、HF帯は近距離での確実な読み取りに適しています。
なお、広範囲の読み取りを行いたい場合には次の方法がおすすめです。

金属対応のRFIDタグを用意する

金属対応のRFIDタグは特殊な設計のため金属面に貼り付けても読み取りが行えます。

代表的な金属対応タグには、樹脂などでモールドしたタイプや、貼り付けた金属面をアンテナとして使用することで通信距離を伸ばすタイプなどがあります。

3.金属対応RFIDタグの活用例

金属対応のRFIDタグはさまざまな用途で活用することが可能です。
ここでは、具体的な活用例をいくつかご紹介します。

物流什器の管理

物流現場では、商品を格納・搬送するためにカゴ車やカートラック、台車、パレットなどさまざまな什器が使用されています。安定して商品を出荷するためには、その時点で使える什器の在庫がどれくらいあるかを把握することが重要です。これらの管理にもRFIDタグが使用されています。

例えば、金属製のパレットに金属対応のRFIDタグを貼り付けることで在庫数や個々の使用状況の把握が可能です。これにより、現場の物流管理や資産管理の効率化につながります。

鍵や工具の管理

RFIDタグは鍵や工具の管理にも有効です。鍵や工具にRFIDタグを貼り付けることにより、持ち出しや返却の管理を適切に実施できるようになります。
RFIDタグは、それぞれのタグが固有のIDを持つので個体管理が可能です。
鍵の持ち出し状況や工具のメンテナンス履歴をひも付ければ、在庫の確認や交換時期の把握を行うことが容易です。

また、複数のタグを一括で読み取ることができるので、一度に複数の鍵や工具を使用する場合でも簡単にデータを取得できます。
鍵や工具といった小型の資産は貸し出しや返却が頻繁に発生するため、置き忘れなどによる紛失のリスクが高くなりますが、RFIDタグを活用することで厳重な管理を実現できます。

4.選定のポイントは対象物と利用環境

RFIDを導入する際には、事前に対象物や運用方法を確認することが重要です。対象物の形状や大きさ、使用環境などによって、RFIDタグに必要な耐性や最適な貼り付け方、読み取り機器の種類などが異なるためです。
金属以外にも、温度や水分などの影響を受ける場合は、それらの条件に対応したRFIDタグを選ぶ必要があります。

また、RFIDタグの読み取り感度を上げるには、タグ本体の性能だけでなく、貼り付け方や位置、リーダーなどの読み取り機器の選定も大切です。実際の現場で読み取りテストを行い、調整しながら最適な運用に整えることが重要です。

5.パレット管理の導入事例

ここからは、サトーのRFIDソリューションを導入した企業の事例をご紹介します。

出荷を止めない!RFIDで出荷遅延ゼロを実現

大手ベアリングメーカーであるNTN株式会社様は、自動車業界の環境変化により大量生産から多品種少量生産へのシフトに取り組んでいました。
多様な市場ニーズに対応するには、製品を出荷する鉄かごやパレットなどのリターナブル容器の確保が必須です。

しかしこの容器の所在管理が難しく、生産計画や物流に悪影響を与えていました。

同社は問題解決に向けてサトーのRFIDソリューションを導入し、リターナブル容器の所在を可視化することで一元管理を行うプロジェクトに取り組みました。その結果、生産計画変更および出荷遅延ゼロを実現しています。

【導入前の課題】

  • 容器の所在不明に起因する生産計画の遅延・変更などが年5回程度発生
  • 「容器を探す」「製品積み替え」「品番変更」といったイレギュラー業務が発生
  • 容器の追加購入や臨時便輸送により年間300万円程度のコストが発生

【導入による効果】

  • 生産計画の変更や出荷遅延ゼロを実現
  • イレギュラー作業が減少し、スムーズな生産計画や円滑な出荷を実現
  • 容器の追加購入や臨時配送などのコストが不要になった

具体的な事例内容については以下もご確認ください。

6.現場の運用に合わせて選べるサトーの特殊用途サプライ

金属への対応をはじめ、耐久性や耐熱性といったRFIDタグに求められる条件は、貼り付ける対象物や使用する環境、目的によって大きく異なります。

サトーでは、以下のようにさまざまなRFIDタグを取り扱っています。

  • 耐熱金属対応タグ
  • カートラック用タグ
  • 超小型タグ
  • キーホルダー型タグ など

サトーが提供しているRFIDタグの詳細については、以下でご確認ください。

7.対象物の条件に合わせたタグの選定がカギ

金属対応のRFIDタグとひと口に言っても複数の選択肢があります。対象物や利用する環境などに応じて、どのようなタグを選定して使用するかが重要です。

サトーでは、特殊用途に対応可能なRFIDタグを取り扱っています。
幅広い業界にご提案している実績を活かし、タグの選定から実装方法までお客さまの現場の運用に合わせてサポートいたします。
RFIDの活用にご興味のある方は、サトーへお気軽にご相談ください。

商品やソリューションについてのお問い合わせ

0120-226310

お客さまヘルプデスク24時間365日