当ウェブサイトでは、お客さまにより良いサービスを提供するため、Cookieを利用しています。Cookieの使用に同意いただける場合は「同意」ボタンをクリックし、Cookieに関する情報や設定については「詳細を見る」ボタンをクリックしてください。

  1. ホーム
  2. 業種別
  3. お役立ちコラム
  4. RFIDを活用してパレット管理の効率化を実現しよう!

RFIDを活用してパレット管理の効率化を実現しよう!

商品や荷物の輸送に使用されるパレットは、作業者の負担を減らし効率よく荷物を運搬できるため、物流の現場で広く使用されています。

しかし、物品の数が多い場合や頻繁に輸送を行う現場では、使われるパレットの数も多くなり、個数や所在の管理が難しくなります。また、多くの企業ではパレットを紛失した場合の補填費用も課題となっています。

どうすれば物流什器の管理を効率化できるでしょうか。
ここでは、物流の現場におけるパレット管理の課題とRFIDタグ・ラベル(以下RFIDタグと表記します)を活用したパレット管理のメリットなどをご紹介します。

1.パレット管理における課題

倉庫や工場など、物流現場では非常に多くのパレットが使用されています。
そのため、構内のどこに、どれくらいの数のパレットがあるのかを完璧に把握することは困難です。頻繁に荷物が出入りする現場では自社と他社のパレットが混在するため、本来他社に返却すべき数よりも多くのパレットを返却してしまうなどの理由で、自社のパレットが紛失してしまうこともあります。パレットは、製品の入出荷に必要な什器のため、紛失や行方不明で作業現場に不足していると、業務の一時停止につながります。

また、パレット毎の使用頻度を均一にすることが難しいのも課題の一つです。
例えば、フォークリフトを使用する作業員にいつも棚の手前にあるパレットだけを使用する癖がある場合、使用されるパレットに偏りが生じます。一部のパレットが全く使われない一方で、使用頻度の高いパレットは破損しやすくなるため、想定よりも早いサイクルで買い替えが必要となる恐れがあります。

このように、所有するパレットの中で劣化の程度に差があったり、本来あるはずのパレットがお客さまから返却されないままになっていたりすることによって、パレット全体の使用頻度の偏りや稼働状況が1枚単位で把握できていないと、実際に追加購入が必要なのか、必要な場合は何枚必要なのかなどが判断できないことがあります。そのほか、パレットの数量を把握するための棚卸しに時間がかかることなどは、無駄なコストが発生する原因になります。

さらに、物流業界では昨今、パレットの標準化も取り組むべき重要課題の一つと認識されています。
日本国内において、JIS規格によって定められた1100mm×1100mmの「T11型」と呼ばれるパレットを利用する割合は、現時点でサプライチェーン全体の5割にも満たないほどです。そのほかのケースでは、企業ごとに独自のサイズや仕様のパレットを使用しているのが現状です。

2.RFIDとは

RFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)とは、電波を用いて無線でデータの読み取りを行い、モノの識別や管理を行うシステムのことです。

RFIDはバーコードや2次元コードとは異なり、離れた場所にあるタグやタグ自体が見えない状況でもデータを読み取ることが可能です。また、複数のタグの情報を一括でスキャンできます。

RFIDタグにはICチップが埋め込まれており、読み取りにはハンディターミナルやリーダライタと呼ばれる機器を用いることが一般的です。リーダライタもさまざまな種類があるため運用に合わせて選択できます。

RFIDのこれらの特性を活用することで、物流現場のパレットを手間なく適切に管理できる仕組みを作ることができます。次の項目では、RFIDを活用したパレット管理のメリットを説明します。

3.RFIDを活用したパレット管理のメリット

RFIDを活用したパレット管理のメリットは、以下のとおりです。

  • パレットを個別に管理できる
  • 在庫管理の効率化につながる
  • パレットの向きを気にせず管理できる

パレットを個別に管理できる

1つ目のメリットは、パレットを1枚単位で、認識できるようになることです。RFIDタグをパレットに貼り付け、それぞれにユニークなIDを割り振ることで、一枚ごとの管理が可能となります。例えば、パレットの持ち出しや返却時にRFIDタグを読み取り使用実績を記録すれば、どのパレットがどこで、どれくらいの頻度で使われているのかを把握できます。

パレットの具体的な数や使用状況を把握することで、紛失のリスクやパレットの使用頻度の偏りを減らすことができます。
また、トレーサビリティーの向上にもつながります。パレットの滞留箇所や、最適なパレットの数なども把握可能になるため、現場における運用の無駄を発見し改善方法を検討するきっかけになることが期待できます。

このような個別の管理はバーコードや2次元コードでも可能ですが、RFIDは非接触で一括読み取りができるため、通常の業務の中で工数を増やさず管理ができることが利点です。

在庫管理の効率化につながる

2つ目のメリットは、RFIDを活用することでパレット在庫管理の工数削減や安全性の向上を実現できることです。

RFIDは、複数のタグの一括読み取りに加え、離れた場所にあるタグの読み取りが可能な点も特徴です。
在庫を確認する際はRFIDリーダーを活用することで、複数のパレットを一瞬で数えられるほか、高く積み上げたパレットも移動させずに読み取ることが可能なため、作業の効率化と安全性の向上を同時に実現できます。

さらに、RFIDリーダーで自動的に読み取るため、数え間違いや記入ミス、見落としなど、アナログな作業で発生しやすい人的ミスを抑制し、在庫管理の精度を高めることが可能です。

パレットの向きを気にせず管理できる

3つ目のメリットは、RFIDタグでパレットを管理する場合、被着体となるパレットの向きを気にする必要がないことです。

パレット管理はバーコードや2次元コードを活用して行うこともできます。ただし、これらにはパレットの向きを揃えなければ効率的に読み取れないというデメリットがあります。

RFIDの場合、電波の届く圏内であればタグが隠れていても読み取れるので、作業の手間を削減できます。また、印字された情報の可読性は、RFIDによる電子データの読み取り自体に影響がないため、RFIDタグの表面に汚れが付きやすい環境でも安定した作業が可能です。ただし、タグの破損を防ぐためには耐久性の高いタグを使用することが重要です。

4.導入するRFIDタグの種類はパレットの材質がカギ

RFIDタグは、金属や水分などの影響を受けやすいため、パレットの材質によって適切な種類を選択する必要があります。なお、一般的なパレットの材質は以下のとおりです。

  • 木製パレット
  • プラスチックパレット
  • 金属製パレット
  • 段ボールパレット

RFIDは水や金属に弱いという特徴があるため、金属製パレットに関しては、通常のRFIDタグを使用すると読み取りづらくなる可能性があります。
したがって、貼り付け方を工夫したり、金属に貼り付けられる特殊タグを用意するなどの対策が必要です。

木製パレットやプラスチックパレット、段ボールパレットでは、RFIDタグの読み取りにパレットの材質が影響することは比較的少ないですが、周囲の設備や壁などの影響を受けて電波が遮断されたり、反射して飛びすぎてしまう可能性があります。RFIDタグを選定する際は被着体だけでなく、事前に使用する環境や運用を確認し読み取りテストを重ねた上で機器の選定を行うことが重要です。

5.金属製のパレットにも対応可能なサトーのRFIDタグ

金属への対応をはじめ、耐久性や耐熱性などパレット管理に使用するRFIDタグに求められる条件は、使用する環境やパレットの種類、運用によって大きく異なります。サトーでは、耐熱タグや耐水タグ、超小型タグなどさまざまなRFIDタグを取り扱っています。

タグの選定から貼り付け方法まで、実際の現場の運用方法に合わせて提案することが可能です。
また、導入の負担を軽減するパッケージシステムもご用意しています。
詳しくは以下をご確認ください。

6.パレット管理の導入事例

ここからは、サトーのRFIDソリューションを導入した企業の事例をご紹介します。
現場にRFIDの導入を検討する際の参考にしてください。

出荷を止めない!RFIDで出荷遅延ゼロを実現

大手ベアリングメーカーであるNTN株式会社様は、自動車業界の環境変化により大量生産から多品種少量生産へのシフトに取り組んでいました。
予測しづらい需要の波に柔軟に対応し、タイムリーに製品を出荷するには、鉄かごやパレットなどのリターナブル容器の確保が必須です。

しかし、自社の工場や倉庫とお客さまの間を行き来する容器の所在管理は難しく、生産計画や物流に悪影響を与えることがありました。

同社はリターナブル容器の所在を可視化し、一元管理を行うために、現場での運用課題をよく知るサトーに知見を借りて、RFIDを導入しました。その結果、生産計画の変更および出荷遅延ゼロを実現しています。

【導入前の課題】

  • 容器の所在不明が原因の生産計画への悪影響が年5回程度発生
  • 「容器を探す」「製品積み替え」「品番変更」などのイレギュラー業務が発生
  • 容器の追加購入や臨時便輸送により年間300万円程度のコストが発生

【導入による効果】

  • 生産計画の変更や出荷遅延ゼロを実現
  • イレギュラー作業が減少し、スムーズな生産計画や円滑な出荷を実現
  • 容器の追加購入や臨時配送などにかかっていたコストがゼロに

具体的な事例内容については以下もご確認ください。

7.RFIDでパレット運用の効率化を実現しよう

RFIDを活用することで、作業者の安全確保や棚卸しの工数削減、パレットの購入費用の削減なども期待できます。

サトーは、お客さまの個々のご要望にお応えし、最適なソリューションをご提案いたします。
物流什器の管理でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

商品やソリューションについてのお問い合わせ

0120-226310

お客さまヘルプデスク24時間365日