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RFIDを活用した位置測位(位置推定)の特徴は?活用例と導入のコツ

近年、製造や物流の業界ではさまざまな用途でRFIDが活用されています。RFIDの特徴を生かした用途の一つにヒトやモノの位置測位(または位置推定。以降、位置測位と表記)があります。

具体的にどのような仕組みで位置情報を取得し、どのような用途で使えるのでしょうか。本コラムでは、RFIDを活用した位置測位方法の概要や活用例、RFID以外の位置測位技術などをご紹介します。

1.RFID以外の屋内の位置測位技術

位置測位を実現する技術は、今回ご紹介するRFID以外にも複数の種類があります。
ここでは代表的な位置測位技術の種類と、それぞれの特徴をご紹介します。

UWB

UWB(Ultra Wide Band)とは「超広帯域無線通信技術」のことです。約8.5~9.5GHzという広い周波数帯を利用した通信で位置測位を行います。設置環境によって左右されますが、既存の無線通信の干渉を受けないことから位置検知の精度は誤差30cm~と非常に高く、消費電力が低い点が特徴です。

極めて高精度の測位ができる一方で、導入コストは他のシステムに比べると高価です。

BLE

BLE(Bluetooth Low Energy)は2.4GHzの周波数を使用した技術です。測位の精度は測位方法やアンテナの設置数などの条件によって異なります。高精度の仕様では誤差50cmから1m程と、UWBに次ぐ精度で測位が可能です。

エリア単位での検知など、測位の誤差が2mから3mまでの範囲でも許容できる場合はコストを抑えた位置測位も可能です。

地磁気測位

地磁気測位は、地球が発する磁気(地磁気)を活用した位置測位技術の一種です。具体的には、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末に内蔵されたセンサーと専用アプリを用いて磁気データを収集し、あらかじめ作成された屋内マップと地磁気データのデータベースとの比較を行うことで、現在の位置を特定し移動履歴を追跡する技術です。

地磁気測位は新しく設備を作る必要がないため、導入コストを抑えられることがメリットです。
ただし、車両が建物の近くを通ると地磁気が乱れるため、位置測定の精度が落ちるのはデメリットといえます。

上記以外にも、さまざまな技術を使った位置測位が行われています。

2.RFIDを活用した位置測位の特徴

RFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)とは、電波を用いて無線でデータの読み取りを行い、モノの識別や管理を行うシステムのことです。
RFIDタグにはタグから電波を発信するアクティブ型RFIDと、リーダーが発信した電波を返すパッシブ型RFIDの2種類があります。

ここからはパッシブ型RFIDを活用した位置測位の特徴をご紹介します。

電池交換が不要

パッシブ型のRFIDタグは電池を使用しないため、充電や交換といったメンテナンスの手間が少ない点がメリットです。また、回収が不要のため使い捨ての用途にも向いています。

一括読み取り

RFIDは複数のタグを一度に読み取ることが可能です。これにより、大量のモノの位置検知を素早く実施できます。

中距離からの読み取り

タグの種類によっては、数メートルの距離からでも読み取ることが可能です。そのため、遠くにある商品に貼り付けられたタグや高くて手が届きにくい商品のタグでも容易に読み取れます。

ただし、読み取り距離が長くなるほど測位範囲が広がり、ピンポイントでの位置測位ができなくなる点は注意が必要です。

位置測位の精度

位置測位の精度はタグや読み取り機器(リーダーやアンテナ)の設置状況に大きく影響を受けます。

RFIDを位置測位に使用する場合、読み取りを行った時点で取得できる情報は正確には「位置情報」ではなく「タグのID」です。
したがって、測位対象物であるヒトやモノにタグを取り付けた場合、場所の情報はタグの位置ではなく、読み取り機器の設置された位置にひも付きます。あるいは、測位対象物に読み取り機器を持たせた場合、RFIDタグはロケーターとして取り付けられることとなり、読み取ったタグの位置を位置情報として記録します。

細かく範囲を指定して位置情報を取得したい場合は、必要な場所に必要な数の読み取り機器またはRFIDタグを設置する必要があります。

取り付け方の柔軟性

RFIDタグはモールドされたタイプやラベル・タグ型のタイプがあります。対象物によってビス止めや埋め込み、粘着剤で貼りつけるなどさまざまな取り付け方に対応できます。用途や運用に合わせてタグを複数種使うなど、柔軟な使い方ができる点がメリットです。

用途の展開

RFIDは位置測位に特化した技術ではないため、他の技術に比べ劣る部分がありますが、RFIDの得意とする個体管理を活かしてさまざまな用途に展開可能といった利点もあります。
例えば、入出荷管理や工程管理など、個体の識別や作業状況などの付加情報が必要な場合に適しています。

3.RFIDによる位置測位の例

ここではRFIDを活用した位置測位の例をご紹介します。

タグを床面や壁などに設置し、ロケーションを特定するマーカーとして使用することで、リーダーを持った人の通過や入退室を検知することができます。自動走行のロボットやドローンにRFIDリーダーを搭載すれば、広い倉庫に保管している商品や資材の所在確認や棚卸しにも活用可能です。

また、ロケ—ションの把握に用いることもできます。厳重な管理が必要な薬品にRFIDタグを付け、ラックなどにRFIDリーダーを取り付ければ、所在が確認でき取り違いによる事故を防止できます。
他にも、レンタル品やリターナブル容器がいまどこにあるのかという所在管理にも活用可能です。

4.RFIDを活用した位置測位を導入するコツ

RFIDを活用した位置測位を導入する場合には、以下のポイントが重要です。

  • RFIDタグの選択
  • 読み取り機器の選定

RFIDタグの選択

運用や被着体に合わせて最適なRFIDタグを選択することが大切です。

例えば、取り付け方や耐性を検討する必要があります。
手軽に取り付けたい場合は粘着剤付のラベル型が便利です。ラベルプリンタで印字もできるので、バーコード読み取りや目視確認を併用する場合の情報を表記しておくこともできます。
しっかりと固定したい場合はねじ止めができるモールド型が有効です。衝撃や高温環境など、特定の耐性に優れた特殊タグも豊富にあります。

また、RFIDタグは金属や水の影響を受けるため、事前に被着体の素材や周辺の設備や環境を確認し、読み取り精度の確認を行うことも重要なポイントです。

RFIDタグについては、以下もご確認ください。

読み取り機器の選定

RFIDの読み取り機器(リーダーやアンテナ)はハンディ型やゲート型などさまざまな種類があります。測位の対象物のカバーエリアや周囲環境、測位対象物の特徴(素材)に応じて、適切な場所への読み取り機器の装備を行ったり、タグに応じた出力調整を行ったりすることが重要なポイントです。

また、RFIDはUWBやBLEなどの技術と比較して読み取りができる範囲が狭いため、全てのエリアをカバーしようとすると多くのの機器が必要になります。必要なポイントに絞って読み取りをするように設置個所や数を検討し、場合によっては他の位置測位技術の検討も行うことが重要です。

読み取り機器については、以下もご確認ください。

5.位置測位技術は使用目的や場所に応じた選定を

位置測位技術は、さまざまな方法がありそれぞれ特徴や精度が異なります。運用や用途に合わせて使用する技術を検討し、その技術の中でも適切な機器を選定することが重要です。また、導入前に現場で検証を行う工程も欠かせません。

RFIDを活用した位置測位をご検討中の場合は、サトーにお気軽にご相談ください。

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