ラベルやパッケージ、部材などに印字された文字や記号は、商品情報、注意事項、管理番号やロット番号などを正しく伝えるために欠かせない重要な情報です。
食品や医薬品、医療機器のように人の体に関わる商品では、表示内容の正確性や視認性が健康被害や重大な事故につながるおそれがあり、安全性の観点からも正確な表示が求められます。
また、製造現場・工業分野においても、ロット番号や工程管理用コードの視認性が悪い場合、生産効率の低下や誤出荷、リコールと言った大きなリスクにつながる可能性があります。
ラベルプリンターで印字を行う際、機器の状態や操作方法によっては、文字の欠けやかすれといった「印字不良」、日付けやロット番号など間違った印字を行う「印字ミス」が発生する可能性があります。
こうした印字トラブルは、商品の信頼性や安全性に直結するため、企業にとって大きなリスクにつながります。
本コラムでは、ラベルの印字トラブルの種類や要因、対策の例をご紹介します。
目次
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1.印字トラブルの種類
印字トラブルは大きく次の2つに分けられます。それぞれの違いを理解したうえで、適切な回避策を講じることが大切です。
- 印字不良
- 印字ミス
印字不良
印字不良は、印字結果の「見た目」に生じる品質トラブルのことです。印字不良の例として、以下が挙げられます。
- 印字の欠け
- 印字の一部が欠けている状態です。上下のどちらかが欠けている、部分的に表示されないなど、さまざまなパターンがあります。情報を正確に読み取れないため、商品として不適切と判断される場合があります。
- 印字のかすれ
- かすれは、印字の一部または全体が薄く表示されている状態です。かすれが生じると目視では非常に読みづらくなり、表示内容を見誤る恐れがあります。
- 印字ムラ
- 印字の濃度が均一でなく、一部にシミのような濃淡が出る「印字ムラ」が生じると、見た目の品質低下につながります。
これらに加えて印字の薄さ・ドット抜けなども印字不良の例です。
印字不良は、ラベルやインクリボンの状態不良やセットミス、機器の設定値の誤りに加え、サーマルヘッドやローラーなど、ラベルプリンターの消耗部品の摩耗や汚れといったメンテナンス不足が要因となって発生します。
印字ミス
印字ミスは、印字された「内容」に誤りが生じる情報トラブルを指します。代表的な印字ミスには以下が挙げられます。
- 日付・ロット間違い
- 日付やロット番号の誤表示は、印字ミスの中でも特に発生しやすいトラブルです。主な原因は、印字内容の誤入力や印字作業の選択ミスなど、作業者の操作ミスによるヒューマンエラーです。装置の設定や操作が複雑な場合も、ミスを誘発する要因となります。
- 別商品の情報を印字
- 別商品の情報を誤って印字してしまうケースは、複数品種を扱う現場や、印字設定の切り替えが頻繁に発生する作業環境で起こりやすいトラブルです。
印字ミスは、操作や運用フローの複雑さ、確認体制の甘さによるヒューマンエラーで発生する場合が多くあります。
2.印字トラブルによって起こり得る問題
商品に貼り付けられるラベルの印字は、正確な情報を伝えるために欠かせません。
印字不良が発生すると、バーコードの読み取りエラーや印字のやり直し、再包装にかかる費用も発生します。
印字ミスが発生した場合、食品や医薬品、医療機器のように人の体に関わる商品では、表示内容の正確性や視認性によって健康被害や重大な事故につながるおそれや、その後の作業工程でトラブルが発生する可能性があります。
印字不良も印字ミスも、ラベル印字の品質と正確性に直結し、回収や廃棄など大きなコストを生むため、未然に防ぐことが重要です。
3.印字不良を防ぐ方法
印字不良の発生を防ぐには、次のような対策をおすすめします。
- 純正のラベルやインクリボンを使用する
- ラベルとインクリボンを再セットする
- こまめにメンテナンスを行う
- 設定の調整を行う
純正のラベルやインクリボンを使用する
ラベルプリンターと同じメーカーのラベルやインクリボンを使用することは、印字品質を維持する上で重要です。他社製のものを使用した場合、以下の事象が発生する可能性が高まります。
- サーマルヘッドの断線
- サーマルヘッドの汚れ
- 印字のかすれ
純正のラベルやインクリボンを使用することで、故障のリスクを低減でき、結果として修理費用やランニングコストの削減にもつながります。
サトーでは、お客さま個々のご要望にお応えして、数百種類を超える上紙や糊の組み合わせの中から、最適なラベルをご提案いたします。
また、自社ラベルプリンターとのマッチングテストも十分行っており、安心してお使いになれるラベルをお届けします。
ラベルとインクリボンを再セットする
ラベルやインクリボンが正しく取り付けられていないと、蛇行やシワなどが発生し、印字不良につながる場合があります。
不具合が発生した際は、まずラベルやインクリボンを再セットすることをおすすめします。正しいセット方法や交換方法は、商品の取扱説明書などで確認できます。
正しくセットされているにもかかわらず、ラベルプリンターにエラーが出た場合の主な原因と対処法については、以下のコラムをご参照ください。
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ラベルプリンターにエラーが出たときはどうする?主な原因と対処法
本コラムでは、ラベルプリンターで印字ができないときに考えられる主な原因と対処法をご紹介しています。
こまめにメンテナンスを行う
印字不良の原因の一つは、汚れやゴミの付着です。インクリボンやラベルの交換時など、定期的に清掃を行うことも重要です。
安全のためにメンテナンスを行う際は、必ずラベルプリンターの電源を切ってください。
サトーの各プリンターの清掃手順やラベルの交換方法は、以下のページからご確認ください。
設定の調整を行う
印字がかすれる、薄い、一部が印字されない場合は、印字濃度やヘッド圧、印字速度などの設定を見直してください。
包装フィルムの材質や表面の平滑度によっても適切なヘッド圧は異なるため、使用するラベルやタグごとに最適な条件を探し、設定を調整してください。それでも改善しない場合は、取扱説明書を確認した上で、メーカーのサポート窓口へ相談することをおすすめします。
4.印字ミスを防ぐ方法
印字ミスの発生を防ぐ対策には、次のような方法があります。
- 作業手順の標準化・作業管理の徹底
- データ管理を一元化
- 印字検査機能の活用
- 商品を正しく判別できる仕組みを導入する
作業手順の標準化・作業管理の徹底
印字ミスを防ぐためには、属人的な作業に依存しない運用体制が重要です。
現場では、担当者ごとの経験や判断に頼った作業が続くと、設定ミスや確認内容のばらつきといったヒューマンエラーが発生しやすくなります。
そのため、作業フローを標準化し、作業ごとの設定手順や確認項目を明確にしておくことで、日々の業務をシンプルにしながら、誤設定や操作手順の抜け漏れを防止できます。
特に、商品ごとに印字内容やラベル仕様が異なる場合、どの作業で、何を確認すべきかを誰でも同じレベルで把握できる状態を作ることが欠かせません。
また、作業ごとのチェックリストの整備やダブルチェック体制を取り入れることで、個々の作業者の経験値に左右されない、現場全体の運用精度の向上にもつながります。
データ管理を一元化
手作業によるラベル作成では、誤った商品情報の入力やレイアウトの修正ミスが発生しやすくなります。
ラベルデータを常に最新に保ち、人的ミスを減らすには、データの一元管理が有効です。
ラベルデータの管理・配信については、下記で詳しくご紹介しています。
印字検査機能の活用
ラベルの印字を自動で読み取り、印字の欠けや抜けなどを検査するシステムや印字検査機能を活用するのも有効です。これらを導入することで、目視よりも高い精度で印字ミスを防げます。
サトーでは、従来の目視検査を自動化することができる印字検査機能を搭載したラベルプリンターを取り扱っています。
商品を正しく判別できる仕組みを導入する
食品製造の現場では、店内調理や総菜、ベーカリーなど食品表示ラベルの貼り付けが欠かせません。食品ラベルの貼り間違いは、食品インシデントの要因になり得ます。
サトーでは、AIによる正確な商品特定と音声サポートなどの補助機能で、ラベルの貼り間違いを防止する「AI画像スキャン値付け」を取り扱っています。
詳細は、以下のページをご確認ください。
5.ラベルプリンターの印字トラブルに関するよくある質問(FAQ)
ここからは、ラベルプリンターの印字トラブルに関する代表的な質問と基本的な確認ポイントを整理してご紹介します。
Q1.印字がかすれたり、薄くなるのはなぜですか?
ラベルやインクリボンのセット不良、サーマルヘッドやプラテンローラーの汚れ、使用する用紙に対して、ヘッドバランスが合っていないなどが主な原因です。
主な対処方法として、下記が挙げられます。
- ラベルやインクリボンの再セット
- プリンター内部の清掃
- 印字濃度やヘッド圧の調整
- ラベルとリボンの組み合わせを見直す
Q2.印字の片側だけが欠けてしまう場合、何を確認すべきですか?
ラベルやインクリボンのセットミス、サーマルヘッドやラベル表面への汚れの付着が原因として挙げられています。
主な対処方法として、下記が挙げられます。
- ラベルやインクリボンの再セット
- サーマルヘッドの清掃
Q3.クリーニングはどこを、どのように行えばよいですか?
プリンターのクリーニング方法は、メーカーや機種によって異なります。誤った清掃は故障や印字不良の原因になるため、必ずご使用のラベルプリンターメーカーが公開している公式サイトや取扱説明書をご確認ください。
メーカー推奨の清掃用品を用い手順を守ることで、印字品質と機器の寿命を維持できます。
サトーの各プリンターの清掃手順やラベルの交換方法は、以下のページからご確認ください。
Q4.設定を変えれば印字不良は改善しますか?
印字がかすれる、薄い、一部が欠けるという場合、印字濃度やヘッドバランス、印字圧、ラベルの種類に応じた設定の見直しで改善するケースがあります。
Q5.自分で対処しても改善しないときはどうすればよいですか?
ラベルやインクリボンの再セット、内部清掃、印字濃度調整、新しいラベルやインクリボンへの交換を行っても改善しない場合、部品劣化や機構故障の可能性があります。
問い合わせフォームやサービス窓口に連絡し、点検・修理を依頼するのがおすすめです。
6.印字トラブルを防ぐには日々のメンテナンスと運用の見直しが重要
印字トラブルは、法令違反、商品回収、ブランドイメージの低下など、企業にとって重大なリスクにつながります。
印字不良は、ラベルやインクリボンの状態、セット不良、サーマルヘッドやローラーの汚れ、設定値の不適合など、機器やメンテナンスに起因することが多いため、日頃の清掃、純正のラベルやインクリボンの使用、ラベルプリンターの印字設定の調整が欠かせません。
一方、印字ミスは入力間違いや作業選択ミスなど、作業者の操作、運用フローに起因します。商品を正しく判別できる仕組みの導入や自動検査装置の活用などにより、ヒューマンエラーを抑制できます。
サトーでは、印字検査機能を搭載したプリンター、各種ラベルやインクリボン、清掃用品のご提供から運用に関するご相談までトータルでサポートしています。
印字トラブルや機器選定でお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
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