位置測位システム(RTLS)とは
位置測位(RTLS)とはどんな技術?
位置測位システム(RTLS:Real Time Location System)とは、人や物がある時点でどこにあるかを知るために、位置を測定する技術です。大きく分けると、GPS衛星からの電波を活用するものと、GPS衛星からの電波が届かない特定の領域で使われているIPS(Indoor Positioning System:屋内位置測位)システムの2種類があります。IPSシステムは、工場などの製造現場にあるさまざまな物や人にタグをつけ、そこから発信された電波をもとに位置や動きをデータ化し、品質や生産性の向上、労働環境の改善に活用されています。このような現場の課題解決に直結するIPS(屋内位置測位)システムについて、詳しくご紹介していきます。

屋内位置測位を活用してできること
- 資材、在庫品、工具など、“物の所在管理”をリアルタイムで行うことができる!
- いつ、誰が、何をどれだけ作業しているかといった情報を“自動取得”できる!
- 取得した稼動状況、動線などのデータを“見える化”し、業務の分析・改善に活用できる!

バーコードや画像認識技術などとの違い
業務の効率化や改善のために、人や物に関する情報を取得する手段としては、バーコードや画像認識技術もよく活用されています。屋内位置測位を含め、それぞれにメリット・デメリットがあるので、状況や用途に応じて使い分ける必要があります。
バーコードと比較した屋内位置測位のメリットは、スキャンする手間がかからないことや、人や物がどのように動いたかといったデータまで取得できることです。
一方、画像認識技術と比較した屋内位置測位のメリットはデータの可視化が簡単にでき、扱うデータ量が少なく済むこと、固体ID認識がしやすいことです。
サトー提案・導入 屋内位置測位技術 比較表
この表はスクロールしてご覧いただけます。
EXBeacon | Quuppa | Ubisense | |
---|---|---|---|
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|
位置測位精度 | 2、3m~
※設置環境による |
50cm~
※設置環境による |
30cm~
※設置環境による |
表示スピード(レイテンシ) | 遅い(長い) | 速い(短い) | 極めて速い(極めて短い) |
機器設置のしやすさ | ◎ | ○ | △ |
導入コスト | 低 | 中 | 高 |
こんなニーズにおすすめ! | そこまで高い精度を必要とせず、低コストで、自由度高く設置したい | コストを抑えながら、高精度の位置情報を取得したい | 多少コストがかかっても、極めて高精度の位置情報を取得したい |
※レイテンシとは位置測位した物を画面に表示するまでの時間のことです。この値が長いと画面表示まで時間がかかり、現実のモノの位置と差異がでます。
位置測位精度
Ubisense > Quuppa > EXBeacon
Ubisenseであれば、高い測位精度によって、作業者の手の動きなど細かなところまで3次元でデータを取ることできます。その次に精度の高い位置情報を取得できるのがQuuppaです。
表示スピード
Ubisense > Quuppa > EXBeacon
Ubisense(1秒以下)及びQuuppa(1秒程度)で、タグの位置表示スピードはほぼリアルタイムです。EXBeaconは位置表示まで10秒以上かかります。
機器設置のしやすさ
EXBeacon > Quuppa > Ubisense
拡張性や設置の自由度で最も優れているのがEXBeaconで、センサー設置場所をひんぱんに変えたい場合におすすめです。電源は必要ですが、電力消費量がごくわずかなので電池で対応できます。Quuppaは電波干渉に強いため、電波が飛び交う場所にも設置できます。データの可視化ツールやセンサー設置場所のシミュレーションツールなどが同梱しており、他の位置測位技術と異なり、Quuppaを導入するだけで位置情報を容易に把握できます。また、サトーでは外部開発ソフトとの連携がしやすいミドルウェアも取りそろえています。
導入コスト
EXBeacon > Quuppa > Ubisense
最も低コストで導入できるのがEXBeaconです。特定のエリアに人が「いる」「いない」といったレベルのことを知りたいときなど、それほど高い精度を求めない場合におすすめです。より高精度を求めながらも、コストを抑えたい場合はQuuppaが最適です。
総括
Quuppa ≧ Ubisense、EXBeacon
サトーではお客さまのニーズや用途に沿って、3商品から提案を行っております。サトーで最も導入実績のある位置測位技術は、Quuppaとなっております。位置測位精度と導入コストなどのバランスが優れていることが、選ばれる主な要因と考えます。また、用途により適した商品のご提案ができますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
<参考>その他の屋内位置測位技術のバリエーションと特長
RFID
配置したアンテナで読み取ったタグを位置情報として紐づけます。
測位精度:アンテナ設置状況による。
RFIDについてはこちらをチェック
Wi-Fi測位
Wi-Fiのアクセスポイントとスマホなどの受信端末を使って測位する技術。受信端末と複数のアクセスポイントから距離で位置を算出します。
測位精度:数m~
超音波、地磁気
その他、専用のスピーカーからデータをのせた超音波を発信したり、建物に使用されている鉄材が発する磁気を活用したりする位置測位技術もあります。
測位精度:1m程度(超音波)、2m程度(地磁気)
位置測位パッケージシステムuS1GMA®(ユーシグマ)

位置測位データを活用して、お客さまの現場課題を改善するパッケージシステムです。
機能
- 1. 人/モノの所在検索
- 2. エリア検知
- 3. 入室カウント
- 4. 作業工数管理
メリット
- 1. 短期導入
- 2. 安価
- 3. 安定稼働
【特別価格でお試し】スターターパッケージ
位置測位技術導入をご検討時にこのような懸念はありませんか?
- どのシステムが現場に最適なのか比較が難しい
- 短期間でPoCを行っても十分なデータが取れないのではないか
RTLSを代表する2つのシステムをまずはスターターパッケージでお試しいただけます。
Quuppa
比較的安価に導入が可能
- BLE(Bluetooth Low Energy)技術でタグ電波の角度(+強度)と位置アルゴリズムを活用し、50cm程度の位置精度が可能
- ロケーター1台で2次元測位と2台以上で3次元測位が可能
- タグの位置情報は、PoE-Hub経由で、PCサーバー側の画面に表示
Plan1
想定測位エリア:10m × 10m以内・ロケーター水平天井設置(3m程度)
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測位エリア | 機器構成 | 価格 |
---|---|---|
![]() |
![]() Q17 短距離型ロケータ—×4 ![]() QT3-1 タグ×10 |
120万円~ |
Plan2
想定測位エリア:20m × 20m以内・ロケーター水平天井/斜め壁設置(6m程度)
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測位エリア | 機器構成 | 価格 |
---|---|---|
![]() |
![]() Q35 長距離型ロケーター×4 ![]() QT3-1 タグ×10 |
160万円~ |
Ubisense
高精度な位置情報の取得が可能
- UWB(Ultra Wide Band)技術でタグ電波の角度(+時間差)と位置アルゴリズムを利用し、15cm程度の位置精度が可能
- センサー複数台(2台以上)で高精度な3次元測位が可能
- タグの位置情報は、PoE-Hub経由で、PCサーバー側の画面に表示
Plan3
想定測位エリア:20m × 20m以内・センサー斜め壁設置(5m程度)
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測位エリア | 機器構成 | 価格 |
---|---|---|
![]() |
![]() D4 UWBセンサー(設定ソフト保守込み)×4 ![]() ミニタグ×10 |
300万円~ |
推奨オプションセンサー間のLAN配線をなくす本装置の導入を推奨します ![]() TDU(タイミング分配装置)×1 |
詳細はお問い合わせください |

注意事項
- ※スターターパッケージの想定測定エリアは現場条件によって異なります。
- ※1社、1拠点、1セットのみの購入となります。
- ※記載個数以上のハードウェアなどの追加は通常料金での販売となります。
- ※価格設定は2024年7月現在のものです。価格は変更する場合がありますのでご了承ください。
- ※導入拠点が一部地域(北海道、沖縄、離島など)の場合、交通・宿泊費は別途相談となります。
- ※導入後、設定変更の問い合わせや作業を行う場合は、別途費用が必要となります。
- ※ロケーターの設置作業、LAN配線作業はお客さまで手配をお願いいたします。
- ※PCサーバー、PoE-Hub、取付治具はお客さまでご準備をお願いいたします。
屋内位置測位技術を用いて解決・改善できる課題
慢性的に物探しが発生している…
位置測位技術で物探し時間を削減
- 歩き回る時間が削減され、作業者の負担が軽減
- スペースの有効利用が可能
- 適性な在庫管理で生産性向上

作業者のエリア滞在を把握できていない…
位置測位技術で作業者の安全を管理
- 予期せぬ作業員のエリア滞在を設備稼働前に確認可能
- 目が行き届かないエリアの安全をサポート
- 作業者の転倒検知やバイタルの把握で事故予防に

作業工程、進捗状況が正確に把握できていない…
位置測位技術で稼働状況を可視化
- 適材適所の人材配置
- 全体が把握できるため納期管理が明確化
- 無駄のない動線に変えることで作業の効率化が実現

最適な人材配置やラインが組めていない…
位置測位技術で作業工数を自動取得
- 作業者への負担なしにトレーサビリティを行うことが可能
- 入力作業が減り生産に集中できるため品質が向上
- データから原価管理も容易に

導入事例紹介
位置測位技術を用いて可視化できるのは、生産実績や稼働状況、物の所在、工数など多岐にわたります。収集したデータを活用して生産性向上や働き方改善など現場の課題解決を実現した事例をご紹介します。
位置測位技術(RTLS)におけるサトーの強み
1「現場力」を生かしたソリューション提案
サトーは、バーコードやRFIDの提案・現場導入での実績も豊富にもっています。その知見をもとに、バーコードやRFIDでは実現できない位置測位技術(RTLS)を用いた自動認識ソリューションも提案することができます。経験豊富な技術商社、ソリューションベンダーとして現場に入り、お客さまとともに課題を見つけ、ポイントを適切に把握したうえで、最適な解決・改善方法を提案しています。
2商品ラインナップ
現場環境やお客さまの要望・市場用途に合わせた提案ができる、豊富な位置測位商品ラインナップを用意しています。さらにサトーが独自に企画・開発した位置測位技術の効果を高めるミドルウェア(SATO Edge/Customer Touch)や用途別タグ(サトー電池交換式タグ/MEDiTAG for Quuppa)、作業端末向けの業務アプリの提供により、位置測定システム導入のハードルを下げます。
3サポート体制
サトーは全国各地に営業拠点、サポートセンターを構え、充実した体制でお客さまを支援しています。さらに世界26の国・地域に広がる拠点をベースに、海外商談の横展開もサポートしています。
導入ステップ
位置測位ソリューションの導入ステップは以下となります。
- 1.商品紹介、技術紹介、ショールーム見学
- 2.現場視察、現場課題の認識
- 3.センサー台数シミュレーション提示、概算見積
- 4.有償トライアル導入、位置測位精度確認、導入台数の確定
- 5.アプリケーション提案、ソフトウェア開発仕様打合せ
- 6.正式見積、受注発注
- 7.センサー取付工事、センサー設定作業、ソフトウェア連携
- 8.検収、請求書発行
- 9.導入後のフォロー
関連ソリューション
位置測位システム(RTLS)に関するお問い合わせ
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