食品業界や物流現場では、環境負荷を減らしつつ作業効率を高める取り組みが広がっています。中でも注目されているのが「ライナーレスラベル」です。
ライナーレスラベルは、従来のラベルと異なり台紙を使用しないため、廃棄物が発生せずコストダウンにつながります。また台紙が無い分、ラベルが多く巻けるためラベルの交換頻度を減らし、作業スピードの向上にも貢献します。
本コラムでは、ライナーレスラベルの概要や導入メリット、サトーのライナーレスラベルの特長などをご紹介します。
目次
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1.ライナーレスラベルとは
ライナーレスラベルとは、台紙(剥離紙、ライナー)を使用しないラベルのことです。
ライナーレスラベルは、ラベルの表面(基材)に剥離剤が塗布されており、セロハンテープやガムテープのようにそのまま使用できるのが特長です。
台紙がない分、廃棄の手間や廃棄にかかるコストも抑えられることから、環境にも配慮されたラベルといえます。
ただし、粘着面がラベルプリンターのローラーに直接触れることになるため、ライナーレスラベル対応のラベルプリンターが必要です。
2.ライナーレスラベルを導入するメリット
ライナーレスラベルを導入する主なメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- 環境に優しい
- 作業効率が向上する
- コストダウンにつながる
ここでは、台紙を使用した一般的なラベルと比較したメリットをご紹介します。
環境に優しい
ライナーレスラベルは台紙を使用しないため、廃棄物の発生を大幅に抑えられるのがメリットです。台紙を使用するラベルは剥がした後にゴミが発生しますが、ライナーレスラベルはその心配がありません。
作業効率が向上する
ライナーレスラベルは、一般的なラベルのように台紙を捨てる手間がかかりません。ラベルに台紙が使用されている場合、数枚であれば大した手間にはなりませんが、枚数が多い場合は台紙を処理する作業に思いのほか時間がかかってしまい、作業効率の低下につながります。
その点、ライナーレスラベルであれば台紙を捨てる手間がないため、貼り付け作業を迅速に行えます。また、作業中に剥がした後の台紙が邪魔になることもありません。
さらに、台紙がない分長くラベルを巻けるため、ラベルの交換頻度が減少します。
コストダウンにつながる
ライナーレスラベルは、コストダウンが見込めるのもメリットです。剥がした台紙は産業廃棄物として処理されるのが一般的ですが、ライナーレスラベルには台紙がないため、処理に必要なコストがかかりません。
加えて、台紙がない分一般的なラベルよりも省スペースに保管することができ、輸送や保管にかかるコストも削減できます。
3.ライナーレスラベルの活用シーン例
ここからは、ライナーレスラベルの活用シーンをご紹介します。
食品、小売現場
ライナーレスラベルは、食品や小売現場における表示や販促用途に適しています。
値下げラベルや売価変更ラベルとして活用する場合、作業中に台紙が散乱したり、廃棄したりする手間を減らせます。作業者やお客さまの足元にゴミが落ちる心配がなく、転倒防止による安全性の向上のほか、店内の美観維持につなげることも可能です。
ライナーレスラベルの活用用途として他には、精算が済んだ商品に貼ることで小売現場の簡易包装(省資源化)、作業の省力化に役立ちます。
そのほか、売り場の棚に貼ることでキャンペーンやセールの告知・宣伝、商品PRなども可能です。
物流現場
ライナーレスラベルは、物流の入出荷管理や宅配伝票、現場での仕分け作業などに幅広く活用されています。
例えばライナーレス対応のモバイルプリンターを活用すれば、宅配の不在票や入出荷ラベルを現場で即時発行し貼り付けることで、作業効率を大幅に向上させることが可能です。
4.環境に配慮したサトーの台紙のないラベル「ノンセパ®ラベル」
ノンセパ®ラベルとは
サトーでは、台紙を使用しない「ノンセパ®ラベル」を取り扱っています。製造工程から台紙を使わないので、台紙の原料となる木材使用量を削減でき、廃棄物として焼却処理された場合に発生するCO2排出量の削減にも寄与します。
また、シール・ラベル業界で初めて「カーボンフットプリント(CFP)宣言認定」を取得しており、製品のライフサイクル全体で発生するCO2排出量の可視化が可能です。
さらに、2025年にプリンター用ラベルの3商品において、一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)が運営する「SuMPO EPD(Environmental Product Declaration)」を取得しました。
EPDは、世界各国でISO14025に準拠するEPDプログラム運営者によって管理されており、日本ではSuMPO(一般社団法人サステナブル経営推進機構)がSuMPO EPDを運営しています。
EPDでは、各製品の環境情報がISO14040及び14044によるLCA(Life cycle assessment)手法を用いて定量化され、ISO14025に基づく第三者検証に合格した製品環境情報のみ、EPDプログラムのウェブサイト上に有効な情報として開示されます。
出典:一般社団法人サステナブル経営推進機構「EPDについて」
主な用途
主な用途として精算後の商品に貼る「お代済みシール」や、売り場の棚(シェルフ)に貼るアイキャッチ効果の高い「シェルフシール」、商品の「封止めシール」などが挙げられます。
「お代済みシール」にタンパーカット(剥がそうとすると裂ける特殊な切れ込み)を入れることで、不正な開封やシールの貼り直しを防止します。
また、ノンセパ®ラベル対応プリンターを使用し、印字する文字量に合わせてラベルの長さを自由に調整しカットできる「可変長カット」や表裏同時に印字が可能な「ノンセパコンビラベル®」、値下げバーコード誤読防止機能を有する「ノンセパ®マークダウンラベル」など、用途ごとに多様なバリエーションをご用意しています。
さらに、同じラベル外径の場合、台紙付きラベルより約1.4倍長くラベルを巻けるため、プリンターのラベル交換頻度が減少します。
ノンセパ®ラベルの詳細は、以下でご紹介しています。
5.導入事例
ここからは、サトーのノンセパ®ラベルを導入し、業務効率化を実現した事例をご紹介します。
SCeaTa(シータ)の導入でラベル交換時間が大幅に減少
株式会社ジュンテンドー様は、中国地方や近畿地方を中心にホームセンターを展開されています。地方都市や中山間地域、離島まで幅広いエリアに店舗網を持ち、地域生活を支える存在です。
物流品質の維持や店舗でのスムーズな品出し作業のため「代表ラベル」を活用されています。今回、物流センターの作業効率化・コストダウン・SDGsへの取り組みに重点を置き、サトーのラベルプリンター「SCeaTa(シータ)CT4-LX」と「ノンセパ®ラベル」を導入。ラベル交換時間が大幅に減少しました。
以前はラベルの使用量が多いため、台紙が大量に廃棄されていましたが、ノンセパ®ラベルを導入して台紙の廃棄がなくなり、株式会社ジュンテンドー様のSDGs宣言とも合致する取り組みである点も評価されています。またラベル作業時間の短縮についても効果を感じていただいています。
【導入前の課題】
- 10年前に導入したプリンターの更新時期にともない、継続保守が困難になった
- 1回のラベル交換に時間がかかり、作業中断で作業効率が低下していた
- ラベルの使用量が多いため、大量の台紙の廃棄が発生していた
【導入による効果】
- 保守体制が強化されコストも低下。コンパクト設計で作業スペースも有効活用
- ラベル交換時間が2分半~3分から25秒に(作業時間の約86%を削減)
- ノンセパ®ラベルを採用したことで台紙の廃棄ロスに環境負担が低減
具体的な事例内容については、以下をご確認ください。
6.ライナーレスラベルをコストダウンや作業効率向上につなげよう
ライナーレスラベルは、台紙を使用しないことで廃棄物の削減や環境負荷の低減につながる環境配慮型ラベルです。一般的なラベルと比べてゴミ処理や焼却の手間を省けるほか、CO2排出量削減やSDGs対応にも貢献します。
また、台紙がない分長くラベルを巻けるため、ラベルプリンターのラベル交換頻度が減少する点も特長です。食品や小売、物流業界など幅広い現場で運用されており、「廃棄物の削減・省スペース・省コスト・効率化」を同時に実現できる点が高く評価されています。
ライナーレスラベルを活用した業務効率化や環境負荷軽減の取り組みを検討している場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
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