2017年02月06日
サトーホールディングス株式会社
当社グループのサトーヘルスケア株式会社(本社:東京都目黒区、以下 サトーヘルスケア)と国立大学法人 三重大学 医学部附属病院(三重県津市、以下 三重大学病院)は共同で、国内初となる臨床研究(UHF帯RFIDタグを使用した三点認証(※1)機器の実地検証および患者への影響調査、以下 本研究)を行います。三重大学病院ではUHF帯RFIDタグの本格運用による、入院患者および医療スタッフの負担軽減を目指しています。本研究はその第一歩として、ハンディ型のUHF帯RFIDリーダーが人体内の植え込み型医療機器に影響を与えないことを実地で証明するとともに、三点認証に係るUHF帯RFIDリーダーの安全性を検証します。本研究は2016年12月26日より2018年末まで、同院に入院する18歳以上男女の全患者を対象に実施されます。
三重大学病院では従来、投薬・採血時にバーコードを使用した三点認証を行っていましたが、夜間にリストバンドを照合する際には患者の睡眠を妨げるケースや、バーコードが(汚れや貼り付け媒体の変形により)読み取りづらい場合もあり、照合方法の改善を検討していました。
UHF帯RFIDタグ(サトーヘルスケア提供)を用いることで、非接触型の照合が可能となります。事前に行った認証テストでは、機器の間に布団などの遮蔽物があっても多くのケースで読み取ることができました。よって照合時にバーコードを探す手間もなく、照合速度の改善も見込めます。
さらにUHF帯タグは、HF帯タグと比較し安価で、読み取り距離の調整も容易です。このたび採用する特定小電力型のハンディ型UHF帯RFIDリーダーについては、昨年3月に総務省が発表した最新の報告書(※2)で、「植え込み型心臓ペースメーカー/除細動器に対する影響は距離に関わらず見られない」との結果が出ており、今回の導入の後押しとなりました。
本研究の責任者である三重大学病院 医療情報管理部 副部長の安積良紀(あづみ よしのり)先生は次のように述べています。
「患者さんの照合作業にかかる看護師などスタッフの労務負荷を減らすために情報収集するうち、安価で将来的な可能性も大きく見込める、UHF帯タグに辿り着きました。臨床研究で得られた内容は、広く国内外に公表していく考えです。」
- ※1入院患者への投薬や輸血時に、バーコードやRFIDを使用して、処置する前に患者ID(リストバンド)、注射・輸血ラベル、実施指示書(データベース)をハンディターミナルで照合し、患者の取り違えを防止すること。
- ※2平成27年度「電波の医療機器等への影響に関する調査」報告書
参考資料
共同臨床研究の概要
期間 | 2016年12月26日~2018年12月31日(症例を集積する予定期間) |
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場所 | 三重大学医学部附属病院 |
目的 | 特定小電力型(250mW)920MHz帯ハンディタイプのRFIDリーダーが、植え込み型医療機器に影響を与えないことを証明する。また同リーダーの安全性を確認する。 |
対象 | 植え込み型医療機器を持つ患者に加え、18歳以上男女の全患者を対象。 |
内容 | 2016年12月26日〜2018年12月までの間に三重大学医学部附属病院に入院する患者のうち、植え込み型医療機器を持つ患者に対し、特定小電力型のRFIDハンディリーダーを使用することにより、入院前後に植え込み型医療機器の設定を確認し、意図しない設定変更が発生していないか確認する。 |
責任者 | 三重大学医学部附属病院 医療情報管理部 副部長 安積良紀 |
共同研究者 |
サトーヘルスケア株式会社 ほか |
サトーヘルスケア株式会社 概要
設立 | 2014年 |
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所在地 | 東京都目黒区下目黒1丁目7番1号 |
代表者 | 小沼宏行 |
事業内容 | バーコード、ICタグなど自動認識技術を活用した医療分野向けソリューションの企画・提案ならびに、バーコードプリンタ等ハードウェア、各種医療ラベル等サプライの販売 |
サトーホールディングス株式会社 概要
創業 | 1940年(設立:1951年) |
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所在地 | 東京都目黒区下目黒1丁目7番1号 |
資本金 | 84億円(2016年3月31日現在) |
代表者 | 代表取締役執行役員社長兼CEO 松山一雄 |
年商 | 連結1,055億円(2016年3月期) |
従業員数 | 4,861名(2016年3月31日現在) |
グループ事業内容 | バーコード、2次元コード、RFIDなどを利用した自動認識システムの提案と、ハードウェア、ソフトウェアおよびサプライ商品の開発、製造、販売。シール・ラベルのデザイン、製造、販売。 |