2018年07月03日
小西医療器株式会社
サトーヘルスケア株式会社
小西医療器株式会社(本社:大阪市中央区、以下 小西医療器)およびサトーヘルスケア株式会社(本社:東京都港区、以下 サトーヘルスケア)は協働し、医療機関内の手術用診療材料をRFID(非接触ICタグ)で管理するシステムを構築しました。導入の第一弾として、地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター(大阪市中央区、以下 大阪国際がんセンター)において、6月下旬より試験導入が開始されました。同センターに常時ストックされる約5万点の診療材料のすべてにRFIDを貼り付け、従来の手書きによる管理を電子データに置き換えることで、在庫や期限管理の精度と作業効率を大きく高めるとともに、患者さんの安全をより確実にすることが狙いです。
大阪国際がんセンターでは現在、小西医療器がSPD※事業者として常駐し、各種診療材料(診材)、医薬品、検査試薬、消耗品の管理を行っています。手術では平均1,000の診材が準備されますが、従来は症例ごとの診材の準備および、使用実績の記録や在庫管理は2人1組の手書きにより行われ、検品作業や棚卸しにも多大な労力がかかっていました。
※SPDとは、医療現場の消耗品管理を柔軟、円滑に行うための専用物流システムです。
そこで今回、全ての診材に使用期限およびロット番号等を埋め込んだサトーのRFIDラベルを貼り付けることでこうした課題の解決を目指します。手術用診材は単価が低く、管理数量の多い分野ですが、正確な物品管理やトレース、業務の大幅な効率化、安全の見える化、将来的なデータ活用の視点からもRFIDへの投資効果が見込めます。大阪国際がんセンターにおけるRFID導入の期待効果は以下の通りです。
- 1本の注射針から1枚のガーゼまで、診材単品ごとの正確な在庫管理
- 検品・棚卸し業務の大幅な効率化で、スタッフの労力を大幅に低減(数値は見込み)
- (手術前検品は2名による80分の作業から1名による10分の作業に。棚卸しは従来の25時間が1時間に)
- 移動履歴や保管場所などを取得し、診材単品ごとの院内トレーサビリティを実現
- (回収時の迅速な作業や、手術室への行き来回数などを取得し診材の「鮮度」管理を可能に)
サトーのRFIDは、すでにカテーテル管理や検体管理向けで医療機関の導入事例があり、患者さんの安心や、医療従事者の業務の効率化により本来の業務である患者さんへの手当て・サービスに専念できる環境作りに貢献しています。小西医療器とサトーは、2019年3月までに本システムの3件の受注を見込みます。
参考資料
大阪国際がんセンターにおける、診材管理業務の効率化(※導入後効果は見込み)
この表はスクロールしてご覧いただけます。
作業 | 従来の運用 | RFID導入前 延べ作業時間 |
RFID導入後の運用 | RFID導入後 延べ作業時間 |
---|---|---|---|---|
手術前の診材検品 (平均1,000個 / 症例) |
数量・期限・ロット情報を 2名でダブルチェックし 帳票へ手入力 |
80分 | RFID読み取り台へ 設置するのみ 1名で確実な検品 |
10分 |
特定の手術に必要な 診材のマスタ登録 |
手作業で入力し、帳票で 品番の確認、ダブルチェック |
150分 | セットした診材をデジタル 一括登録 |
30分 |
棚卸し(随時) | 複数人数を配置し 実地棚卸し後再確認 |
25時間 | RFIDスキャンで 一括棚卸し、再確認のみ |
1時間 |
国際モダンホスピタルショウ2018における展示
サトーヘルスケアおよび小西医療器は、RFIDによる診療材料の管理ソリューションを、「国際モダンホスピタルショウ2018」(7月11日~13日 東京ビッグサイトにて)に出品します。ブース(東6ホール 小間番号F-11)へぜひお立ち寄り下さい。
大阪国際がんセンターにおける診材管理
小西医療器株式会社 概要
設立 | 1950年 |
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所在地 | 大阪市中央区内淡路町二丁目1番5号 |
代表者 | 代表取締役社長 堤田 宏 |
事業内容 | 医療用機器及び器具の販売 |
URL |
サトーヘルスケア株式会社 概要
設立 | 2014年 |
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所在地 | 東京都港区芝公園1丁目7番6号 CROSS PLACE浜松町9階 |
代表者 | 代表取締役社長 小沼 宏行 |
事業内容 | バーコード、ICタグなど自動認識技術を活用した医療分野向けソリューションの企画・提案ならびに、バーコードプリンタ等ハードウェア、各種医療ラベル等サプライの販売 |