2020年11月26日
株式会社サトー
株式会社サトー(本社:東京都港区、代表取締役社長:小沼 宏行、以下サトー)が開発した「産業用ラベルプリンタのラベルガイド装置」(特許番号:特許第6594605号)がこのたび、公益社団法人発明協会が主催する「令和2年度 関東地方発明表彰」において発明奨励賞を受賞しました。
今回表彰された発明は、工場や物流センターなどでラベルを印字する産業用ラベルプリンタのラベルガイド装置に関するもので、CL4/6NXシリーズ(2014年発売)とCL4/6NX Plusシリーズ(2020年発売)に搭載されています。
産業用ラベルプリンタは、ラベルに文字や画像などの情報を印字するための電子機器で、例えば小売業での食品ラベルや、運送業での配送ラベルなど、各種用途に合わせて、さまざまなラベルを発行します。一般家庭で使われるプリンタと異なる点は、ラベルロールからラベルを引き出して印字部に送る装置や、ラベルロールからラベルを切り離す装置(カッターユニット)、台紙からラベルを剥がす装置(剥離ユニット)を備えていることです。
こうした産業用ラベルプリンタは、通常の印字方向にラベルを搬送するだけでなく、ラベルの切り離しや台紙からラベルを剥がす際に、逆方向への搬送(バックフィード)する動作を行いますが、このとき、ラベルロールから引き出されたラベルが緩んで垂れてしまい、ラベルガイドから外れて蛇行してしまうおそれがありました。
今回の発明は、追加部品を必要としないシンプルな構成で、印字部へ搬送されるラベルの蛇行を防止し、印字品質の低下や紙詰まり(ラベルのジャム)を抑制することを可能にするものです。
具体的な構成は以下のとおりです。
ラベル搬送路(印字部とラベルロールとの間)には、ダンパー(1)が設けられています。ダンパーは、ラベルロールから引き出されたラベルに張力を与えることによってラベル送りの変動を吸収し、印字が歪むのを防ぎます。このダンパーには、ラベルが横方向への蛇行するのを防ぐラベルガイド(2)が設けられています。プリンタケース内の底面には、浅溝状の凹部(3)を形成し、この凹部内にラベルガイドの先端部が入り込むように構成しています。
これにより、バックフィード時にラベルロールから引き出されたラベルが、プリンタケース内の底面まで垂れてしまってもラベルガイドから外れなくなり、ラベルが蛇行することを防ぐことができます。その結果、品質の高いラベルの印字と紙詰まりによるダウンタイムの低減が可能になりました。
※「産業用ラベルプリンタのラベルガイド装置」は、CL6NXシリーズ、CL4/6NX Plusシリーズにも用いられています。
参考資料
公益社団法人発明協会 地方発明表彰
http://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/chihatsu.html
(応募時、穀田 博は株式会社サトー開発本部に在席)
株式会社サトー 概要
所在地 | 東京都港区芝浦3丁目1番1号 msb Tamachi 田町ステーションタワーN |
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代表者 | 代表取締役社長 小沼 宏行 |
事業内容 |
自動認識ソリューション商品(プリンタ、ソフトウェア、シール・ラベル、ハンドラベラー等)の市場調査、企画・開発、設計、製造、販売、保守および販売促進ソリューションの販売 |