当ウェブサイトでは、お客さまにより良いサービスを提供するため、Cookieを利用しています。Cookieの使用に同意いただける場合は「同意」ボタンをクリックし、Cookieに関する情報や設定については「詳細を見る」ボタンをクリックしてください。

  1. ホーム
  2. サトーについて
  3. ニュースルーム
  4. 2021年
  5. リリース
  6. サトーの次世代PJM RFID技術を使用したソースタギングソリューションでLima社がサプライチェーンを効率化

サトーの次世代PJM RFID技術を使用したソースタギングソリューションでLima社がサプライチェーンを効率化

2021年02月18日
サトーホールディングス株式会社

本資料は、SATO Europe GmbH発表のニュースリリースの抄訳版です。

自動認識ソリューションを開発しグローバルに提供するサトーグループ(以下サトー)は、整形外科インプラント製造業者LimaCorporate(本社:イタリア、以下Lima社)向けに、サプライチェーンを管理するソリューションを開発しました。このソリューションは、サトーの次世代PJM RFID技術※1を中心に、ハードウエア、ソフトウエア、タグで構成されており、バーコードや従来のRFIDタグでは不可能だった、ガス滅菌や放射線滅菌をする前段階でのインプラント製品へのソースタギングを実現し、業務を効率化します。

スキャンが必要なプロセス

整形外科インプラントとは、損傷や変形した関節、骨、軟骨等に置き換える人工代替物で、人の体に合わせてさまざまなサイズで製造されます。手術を行うまで正確なサイズがわからないことが多く、製造業者は、患者情報に基づいて何百ものインプラントを準備しますが、実際に使用するのは数点のみで、それ以外は返品されるため、この処理プロセスには多くの工数が費やされます。在庫を正確に把握するためには一つ一つのアイテムをスキャンする必要があるからです。製品のピッキング、出荷、入荷、手術後の返品、未使用品の在庫戻し入れなど、スキャンが必要なプロセスはサプライチェーン内に多数存在します。何千ものアイテムを一度に出荷するため、その回数は膨大です。

ヘルスケア業界ではインダストリー4.0を進めています。RFIDを使ったソースタギングによる物流や倉庫業務の合理化は、サプライチェーンの見える化や生産性の向上に不可欠です。しかし、従来のRFIDタグは、放射線滅菌を施すとタグのデータが消去または破壊されてしまうという決定的な弱点がありました。そこでLima社が選んだのが、サトーが扱う幅広いRFIDの中でも、PJM RFIDの技術です。この次世代チップには滅菌に使用される電子線やガンマ線に対する耐性があります。これが決め手となりました。

PJM RFIDを用いたインプラント製品のソースタギング(生産の段階でタグをつけること)により、サプライチェーンの途中で何度もタグを付け替える必要がなくなり、工場から手術室までを完全に可視化することで検品、返品処理、在庫管理の効率を大幅に改善することができます。また、RFIDでのソースタギングにより医療機器の表示※2や識別※3に関する規制順守を円滑にし、トレースのスマート化やリアルタイムの市販後監視によって品質管理も容易になります。

サトーは2018年後半にLima社でパイロット試験を行い、PJM RFIDのトンネルリーダーを使用したシステム※4で生産性を50パーセント向上できる可能性があることを示しました。これを受けて同社は、生産段階で製品梱包材の内側に耐放射線タグを取り付け、梱包箱をそのまま滅菌工程に送るワークフローを確立し、生産および販売物流を合理化しました。

Lima社が今回導入した技術は、病院にも多くの恩恵をもたらします。サトーのPJM RFIDタグはNFCに対応しているため、医療現場でもスマート機器によってインプラントの確認が可能です。病院所有の、または預託品の医療機器在庫が、定位置、移動ラック、キャビネットのどこにあっても、倉庫での使用期限管理や入荷資材の検品などの在庫管理プロセスをさらに改善することができます。

サトーPJM RFIDタグの取り付け

サトー 海外ヘルスケア市場責任者 Kevin Allartのコメント

当社の開発した滅菌対応タグは、Lima社が求めていたものでした。私たちはPJMのハードウエア、カスタマイズソフトウエア、PJM RFIDタグを組み合わせ、お客さまの基幹システムとスムーズに統合するトータルソリューションを提供しました。単なるサプライヤーとエンドユーザーの関係性にとどまらない、最先端技術におけるパートナーシップが生まれたことを嬉しく思います。

Lima社の詳細は、同社のオフィシャルウェブサイト(英語)またはLinkedIn公式アカウント(英語)をご参照ください。

  • ※1ISO 18000-3規格のモード2方式、位相ジッター変調(PJM)RFIDのPJM RFID技術は、大量のタグを即時に100パーセントの精度で読み取る用途に最適です。PJM RFIDは、多数のタグ付けされたアイテムがそれぞれ異なる向きで積み重ねられた状態でも、高速で動いていても正確に読み取ることができます。
  • ※2米国食品医薬品局(FDA)医療機器報告(MDR)規則(21 CFR Part 803)や欧州医療機器規則 (MDR)2017/745によって、医療機器の製造や使用が規制されています。
  • ※3UDI(医療機器個別識別子)を指します。医療機器のトレーサビリティや安全性確認のために各機器に割り当てられた一意の識別子です。現在、米国、欧州連合加盟国、中国、韓国、サウジアラビアで使用されています。
  • ※4複数アイテムの一括読み取りを基本機能とし、PJM RFIDタグや専用リーダー(トンネルリーダー)と、ソフトウエア(PJM ORBIT™ management solution)を組み合わせて開発した管理ソリューションです。Lima社の基幹システムと連携し、預託品インプラントセットの返却処理や再構成の作業を支援します。