欧州子会社が、SAIT社と提携し、Medacta International社の整形外科インプラント物流の効率と正確性を向上

※当資料は、2024年2月24日に欧州の子会社SATO Europe GmbHが発表したニュースリリースの抄訳です。

SATO Europe GmbH Italy（以下、サトー）は、スイスの整形外科インプラントのパイオニアであるMedacta International（以下、Medacta社）と、イタリアのソフトウェアインテグレーターであるSAIT srl（SAIT社）とのパートナーシップを締結しました。ヘルスケア業界でサトーのPJM RFID^※ソリューションを導入していく上で重要なステップとなる今回の提携で、Medacta社の業務効率を大幅に向上させ、整形外科ケアにおける正確性の新たな基準を確立します。

※PJM RFID：国際標準規格に基づいた、サトー独自のRFID技術。Phase Jitter Modulationの略。読み取りスピードの速さと正確性に加え、一般的にRFIDの弱点とされる「積層」「金属」「水」の影響に強い特性を有しています。高速かつ正確に読み取りができるため、宝飾品などの高額商品や管理上誤りが許されない医療品の管理などに適しています。

Medacta社は整形外科用インプラントの貸出品の管理に課題を抱えており、管理効率を向上させるために、手間や時間のかかる既存のバーコードシステムの代わりにサトーのPJM RFID技術の採用を決定しました。サトーの技術は、このような課題の解決を目的として設計されています。

サトーの最先端のRFID技術であるPJMは、Medacta社にとってゲームチェンジャーとなりました。製品を滅菌処理する際、タグを付けたままにすると、ほとんどのUHF帯やHF帯のRFIDタグは使用ができなくなりますが、サトーの耐放射線性DチップシリーズのPJM RFIDのメモリはこの工程に耐えることができます。これにより、製品へのタグ付けを行う場所を工場に集約することが可能となり、製品寿命を通して世界中のMedacta社の施設でトラッキングすることができるようになります。

国際標準規格ISO18000-3モード2方式として規定されている位相ジッタ—変調（PJM）RFIDは、高速かつ一括での個品識別を行うためのオープン規格です。この技術によって、医療機器用ハードケース内にさまざまな入れ方で密に積み重ねられた複数のタグを、重複して読み取ることもなく、高精度かつ一括で読み取ることができます。この結果、Medacta本社では作業効率が30パーセント以上も向上し、作業にかける人数の削減につながりました。また、在庫管理の精度も100パーセントになりました。

世界的にみると、Medacta社がPJMを展開している米国、日本、またイタリアなど欧州の数か国の現場において、5～15パーセントの効率改善を実現しています。現在、Medacta社の貸出品の入庫および出庫において、ゲートリーダーを使用して個品単位の確認を行っているのは工場と倉庫のみですが、今後、これをMedacta社の社内物流システムの多数の顧客接点に拡大することで、より大きな効率と精度の向上が見込めます。

SATO Europe GmbH責任者 Laurent Lassusのコメント

私たちが信頼するイタリアのパートナーであるSAIT社の協力のもと、この技術を展開することができました。同社の現場での丁寧な対応のおかげで、Medacta社の既存のオペレーションを妨げることなく当社の技術を統合することができ、システムの実装と移行を円滑に行うことができました。

Medacta社が採用したサトーのPJM RFIDのDシリーズラベルはNFC通信も可能です。この機能には大きなメリットがあるため、同社では今後に向けて広範な導入を検討しています。NFC機能では、専用のスキャナーがなくても瞬時にタグの読み取りができるため、さらに一段階上の効率化が期待できます。サトーとSAIT社の連携が鍵となり、今回の現場の業務自動化が実現しました。

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