近年、スマートフォンをはじめとする機器をタグに近づけるだけで情報を取得できる利便性から、NFC(Near Field Communication)がさまざまな場面で活用されています。
ビジネスの現場でも、NFC技術を活用することで、販売促進や顧客満足度の向上につなげることが可能です。
本コラムでは、NFCの概要やビジネスの現場で活用するメリット、具体的な方法や事例などをご紹介します。
目次
- 1.
- 2.
- 3.
- 4.
- 5.
- 6.
1.NFCとは
NFCとは、RFID(Radio Frequency Identification)技術の一種で、日本語では「近距離無線通信」と表現されます。
RFIDで使用される周波数帯のうち、HF帯に含まれ、通信エリアが短いことが特徴です。NFCにはさまざまな機能があります。
例えば、NFCに対応したスマートフォンなどのデバイスをNFCタグ(ICカード)として使用したり、NFCタグの読み取り機器として使用することができます。
他にも、デバイス同士を近づけてデータを双方にやりとりできる機器間通信(P2P通信)にも対応しています。
NFCは簡単に情報を読み書きできるため、さまざまなビジネスの場面で活用が進んでいる技術です。
RFIDとNFCの違いやNFCの機能については、以下の記事でもご紹介しています。
2.NFCをビジネスに活用するメリット
情報をデジタル化し伝達する方法は、バーコードやQRコード、NFCを含むRFIDなどさまざまな技術があります。
その中でも、NFCを活用するメリットをご紹介します。
- 汚れに強い
- デザインの自由度が高い
- 多くの人が簡単に利用できる手軽さ
- 高いセキュリティ性
- 幅広い用途に活用できる汎用性
汚れに強い
NFCは、非接触でデータをやり取りできるため、物理的な接点が不要です。そのため、カードやタグの表面が多少汚れていても通信が可能です。
「汚れに強い」ことは、耐久性や信頼性を求める現場で大きなメリットです。
デザインの自由度が高い
NFCは、カードだけでなく、シール、ポスターやパッケージに埋め込むことも可能です。
例えば、イベントチケットにNFCを搭載し、デジタルコンテンツへのアクセスを提供することも可能です。読み取り面が見えなくても読めるので、デザインの自由度が高い点もメリットです。
多くの人が簡単に利用できる手軽さ
NFCはキャッシュレス決済や交通系ICカードなどに広く利用されており、多くのスマートフォンに標準搭載されています。
特別な操作が不要で、スマートフォンをかざすだけで利用できるため、ユーザーにとっても導入しやすい技術です。
高いセキュリティ性
NFCは通信距離が短いため、無関係な機器やNFCタグと通信しづらく第三者による不正通信のリスクが低いのが特徴です。
運転免許証など公的な身分証明書にも採用されており、信頼性の高さからキャッシュレス決済にも活用されています。
幅広い用途に活用できる汎用性
NFCは、決済・身分証明・情報配布など多様な目的に利用できます。
1枚のカードや1つのタグで複数機能を統合でき、クーポン配布やIoT機器の操作などにも応用可能です。
また、情報を書き換えて再利用できるため、販促や顧客サービスに柔軟に応用できます。
3.NFCをビジネスに活用するときの注意点
NFCをビジネスで活用する際の主な注意点は以下の3点です。
- セキュリティとプライバシー保護
- 初期費用と運用コストの把握
- 運用管理と現場への定着
セキュリティとプライバシー保護
NFCは情報の非接触取得ができ、決済や個人情報の管理など多用途に使われますが、不正アクセスや情報漏洩のリスクも伴います。業務で導入する際は、暗号化やアクセス制限などのセキュリティ対策が不可欠です。
また、個人情報保護法やGDPR(General Data Protection Regulation)など法令の遵守も必須です。取得する情報の範囲や利用目的を明確化し、ユーザーからの同意取得など配慮が求められます。
初期費用と運用コストの把握
NFCシステムの導入には、リーダライタ・システムの初期投資や、既存システムとの連携時の追加コストが発生します。
その他、タグや機器類の故障、消耗も考慮して定期的なメンテナンスコスト・運用コストも予算に組み込まなくてはなりません。費用対効果の事前検討や、予算管理を徹底することで投資を無駄にしない設計が重要です。
運用管理と現場への定着
NFC導入後は、現場で実際に使われる動線設計・定着がカギとなります。設置しただけで利用率が上がるとは限らないため、使いやすい設置場所や案内表示の工夫、現場スタッフへの教育が必要です。
「導入の目的」と「得られるメリット」などを丁寧に伝え、体験型説明を重ねることで、現場に定着しやすくなります。運用後も管理者による継続的な運用チェックと利用促進策の検討が不可欠です。
4.NFCの活用方法の例
実際にNFCはビジネスでどのように活用できるのでしょうか。
ここでは、活用方法の例をご紹介します。
販促、マーケティングツール
店舗のポスターや商品POPにNFCタグを付けることで、消費者を商品やキャンペーン情報、アンケートページ、インバウンド対応の多言語サイトに誘導できます。
商品POPの場合はスイングPOPやネックPOPなど環境に合わせた方法にすることで、相乗効果が発生し売り上げ増加につながります。
また、購買意欲のデータ収集をすることで、商品開発などに活かすこともできます。
スマートフォンをかざすだけで、商品情報やキャンペーン情報をリアルタイムかつフレキシブルに表示させることができます。
さらに、スマートフォンの位置情報がオンになっていれば、いつ・どこで読み込まれたかといった情報も取得することが可能です。
宣伝する商品に合わせた方法で、NFCタグの遷移先を設定すれば、販促ツールとして有効活用できます。
偽造、不正転売の防止
瓶のキャップ部分に開封検知機能のNFCタグ付きのシールを貼り付け、NFC対応のスマートフォンで読み取ることで未開封/開封のステータスや改ざんを可視化できます。
また、中身の入れ替えなどによる偽造を防止し、不正転売の抑制、ブランドのイメージと品質の保持に役立ちます。
開封検知機能付きNFCタグの詳細は、以下のページをご覧ください。
偽造防止加工を施されたラベルについての詳細は、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
-
商品のセキュリティを高めるには?ラベルの偽造防止加工でブランドを守ろう
本コラムでは、偽造防止の重要性や偽造防止加工の活用例、具体的なラベルの種類などをご紹介します。
個人認証カード
社員証・学生証・会員証などにNFCタグを利用すれば、出退勤管理や電子錠の開閉、PCログインなどを一元化できますので利便性とセキュリティ対策の両立が可能です。
NFCを活用したセキュリティ対策についての詳細は、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
NFCタグの大量発行や自社発行が必要な場合は、NFC対応のラベルプリンターが便利です。印字と同時にNFCタグにデータの書き込みを行うことで、必要な時に必要な枚数を即時発行することができます。
5.導入事例
ここからは、サトーのNFCタグをビジネスに活用した事例をご紹介します。
NFCタグで多言語翻訳し、インバウンドに商品をアピール
株式会社フンドーダイ様は、九州・熊本の地で150年以上にわたり、醤油や味噌をはじめとする各種調味料の製造販売を手掛けています。インバウンド観光客の多い東京・浅草にアンテナショップを出店しましたが、さまざまな国から訪れる観光客との間に立ちふさがる言語の壁は厚く、商品の魅力を伝えきれないことに課題を感じていました。
そこで同社は、訪日観光客向けに“開封検知機能付きNFCタグ”を導入しました。
NFCタグをかざすとスマートフォンの設定言語に応じて自動翻訳された商品情報を表示するようにし、商品の開封前後で異なるサイトへ誘導できるようにしました。
さらに、開封地点の位置情報を分析することで、どの国・地域で興味が高いかを把握し、マーケティングの効率化にもつながりました。
【導入前の課題】
- アナログのレシピカードでは言語ごとに印刷する必要があった
- 越境ECサイトへ誘導するための動線がなかった
- 海外顧客のリピート購入率を上げたい
【導入による効果】
- NFCタグの読み取りで位置情報を取得し、スマートフォン設定の言語に自動翻訳
- 開封前後でサイトの遷移先を変更することで、ECサイトへの誘導も可能に
- 開封地点を分析し、マーケティングを効率化
具体的な事例内容については、以下もご確認ください。
6.NFCを活用した施策で販売促進をめざそう
NFCは、ビジネスシーンで有効活用できます。スマートフォンやICカードにも採用されている身近な技術のため、多くの人がすぐに使用できるというメリットがある他、商品の販促や不正の予防など、さまざまな用途で活用できる汎用性も強みです。
販売促進や顧客満足度の向上などにつながる施策をお探しの場合は、NFCの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
NFCのビジネス活用をお考えの方は、お気軽にご相談ください。
- テーマ:
- RFID
関連コンテンツ
商品やソリューションについてのお問い合わせ
受付時間24時間365日













