工場や物流倉庫では、業務で使用する工具や備品の管理が非常に重要です。管理を誤り紛失しては探し出すための工数や再購入するコストが発生します。生産性の安定および向上には、工具や備品の適切な管理が欠かせません。
しかし、多くの工場や物流倉庫は工具や備品管理に課題を抱えているのが現実です。ここでは工具や備品管理における課題と基本的な管理方法、課題解決のためにRFIDを活用した事例などをご紹介します。
目次
- 1.
- 2.
- 3.
- 4.
- 5.
- 6.
1.工具や備品の管理における課題
工場や物流倉庫における工具や備品管理には、具体的にどのような課題があるのでしょうか。
ここでは、考えられる例をいくつかご紹介します。
管理業務に時間がかかる
企業において工具や備品は資産であり、適切な管理によって長く使うことが重要です。
しかし、小さな工具であれば持ち運ぶうちに所在を把握できなくなることがあります。備品は取り扱い点数が多く全てを把握することは非常に難しいです。
返却漏れや紛失が発生しやすい
持ち出しや返却といった資産の入出庫管理を手作業で行っている場合、記入漏れをはじめとしたヒューマンエラーの発生はどれだけ注意をしても避けられません。管理している工具や備品の種類が多くなるほどミスの発生率は高くなります。
「工具が見当たらずに作業が行えない」「紛失した備品を新たに購入し直さなければいけない」など、生産性の悪化や余計なコストの発生につながります。
2.工具や備品を管理する方法
工具や備品管理の課題を解決するにはどのような方法が考えられるでしょうか。ここではミスや紛失を防ぐために行われてきた管理方法をご紹介します。
保管場所を定める
工具や備品の保管場所を明確に定めましょう。保管場所が決まっていれば「どこに、何が」あるのかをすぐに把握でき管理の手間が減ります。
また、場所を定めるだけでなく、保管場所目印や番号を付けるのもおすすめです。各工具や備品をどこに保管すれば良いかが一目で判別できるため保管しやすくなります。備品の探索を簡単に行うことができるようになる点もメリットです。
管理用のラベルを貼り付ける
工具や備品に、管理ラベルを貼り付ける方法も有効です。工場や物流倉庫に同じ工具が複数あっても個別に管理できます。また、保管場所と工具に同じ番号のラベルを貼っておくことで管理もしやすくなります。棚卸しや探索をスムーズに進められるでしょう。
ただし、ラベルが剥がれてしまうと管理が難しくなりますので、ラベルが剥がれていないか定期的にチェックすることが大切です。
持ち出しや返却手順などのルールを徹底する
管理方法や持ち出し、返却の手順といったルールを定めて、従業員に徹底させることも重要です。定められた保管場所の厳守、持ち出しや返却の際は管理台帳に持ち出した日時と従業員の名前を記載するなどをルール化して運用しましょう。
また、保管場所に加えて、工具や備品を持ち出す際の申請手順まで明確にしておけば、「誰が何を持ち出しているのか」がすぐに把握できます。
ただし、一部の従業員しかルールを運用していなかったり、持ち出し時に誤った内容を記帳しては意味がありません。全ての従業員がルールに沿って運用することが大切です。持ち出し管理や出庫管理のルールは、従業員が見やすいように工具や備品を保管する場所の近くに提示すると良いでしょう。
3.備品管理にはRFIDを活用するのがおすすめ
従来の管理方法は工数が多いことから手間や時間がかかる上、ヒューマンエラーが起こりやすいというデメリットを抱えています。
このようなデメリットを解消し、工具や備品管理をより効率化するためにはRFIDと呼ばれる自動認識技術を活用するのがおすすめです。
RFIDとは、電波や電磁波など近距離の無線通信を用いて、データを記録した専用タグ(ICタグ)と非接触による情報のやりとりをする技術のことです。近年、電子マネーやセルフレジなどでも用いられている「非接触型の自動スキャニングシステム」が代表例です。RFIDを工具や備品管理に活用するメリットには、以下の2点が挙げられます。
業務時間の短縮につながる
工具や備品管理に用いられるRFIDリーダーは、電子マネーやセルフレジのスキャナよりも長距離の通信に優れた周波数帯を使用します。そのためバーコードを一つ一つ読み取る必要がありません。
電波の届く範囲内であれば、RFIDリーダーで一括読み取りが完了します。また、環境やリーダーの種類によっては箱の中に入っている工具であっても、高い位置にある備品でも読み取りは可能であるため棚卸しや検品にかかる業務時間を大幅に短縮できます。
管理業務の精度が向上する
RFIDシステムを用いれば、工具や備品を読み取った際のデータが自動でシステム上に登録されます。記帳を自動化することでヒューマンエラーが減ることはもちろん、管理業務の精度向上につながります。
また、工具や備品の持ち出しおよび返却の管理をRFIDで行うことは、不正な持ち出しの検知を容易にします。
4.工具や備品管理はサトーの「資産管理パッケージシステム ASETRA」で効率化
工具や備品管理の効率化を検討しているのであれば、サトーの「資産管理パッケージシステム ASETRA(アセトラ)」の活用をおすすめします。
「資産管理パッケージシステム ASETRA」は、RFIDで棚卸から貸出・返却、探索まで資産管理を一元化できるシステムです。また、システムだけではなくRFIDリーダーやデータ管理用のPCがセットになっているトータルパッケージや、オプションとして現場に合ったタグやラベル、不正持ち出しを検知するゲートもございます。
既存のデータベースとも紐づけもできるため開発工数の削減にも寄与します。
RFIDシステムを導入することで管理業務にかかる負担や時間を大幅に削減します。
5.ASETRAで解決できる課題例・導入効果
ASETRAの活用によって資産管理におけるさまざまな課題が解決可能です。例えば、管理業務の課題としてよく挙げられる例として、以下をご確認ください。
- 手書き作業による棚卸しに膨大な時間がかかり、記載ミスの心配もある
- バーコードを導入しているが、読み取り作業に時間がかかる
- 貸出・返却の実績管理ができていない
- 基幹システムの改修に多くの時間や費用がかかる
ASETRAには、上記課題を解決するための棚卸機能、貸出・返却機能、探索機能がございます。実際にASETRAを導入されたお客さまからは次のようなお声をいただいております。
- 棚卸し時間の短縮により、年数回だった棚卸しが毎月実施でき、在庫精度が向上した
- 補給部品の欠品による稼働停止が減少した
- バーコードに比べ、棚卸し時間が1/20まで減少した
- 貸出・返却の実績がデータベース化され、早期の問題解決を実現した
- 導入ハードルが低く、スムーズに運用を開始できた
ASETRAの詳細については以下もご確認ください。
6.システムを活用して備品管理を効率化しよう
スムーズな業務進行やコストの面において、工具や備品は正確な管理が求められます。備品管理に問題があると感じているのであれば、ぜひRFIDシステムの導入をご検討ください。
「資産管理パッケージシステム ASETRA」であれば必要なものが全てそろっているため、簡単かつ即導入が可能です。
「業務効率化のためにIT技術を導入したいが知識がなくて困っている」という場合は、豊富な導入実績があるサトーまでぜひご相談ください。ASETRAをはじめとした現場の課題解決につながるシステムをご提案いたします。