
小売店では、棚卸しや在庫管理、品出し、接客など、従業員が多くの業務を行わなくてはなりません。特に多くの商品を取り扱っている店舗の場合は、欠品を防いだり商品の品質を維持するために、棚卸しや在庫管理などに多くの工数が必要です。
小売店でよくある課題を解決するために、RFIDの導入を検討している担当者の方も多いのではないでしょうか。ここでは小売店に見られる課題の例と、RFIDを活用することによって得られる効果や実際にRFIDを導入した事例をご紹介します。
目次
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1.小売店の課題

小売店では具体的にどのような点が課題となっているのでしょうか。ここではその具体例をご紹介します。
人手不足
日本の小売業界は長い勤務時間や不定期な休日、土日出勤などの要因が合わさり、慢性的な人手不足に悩まされ続けています。
また、従業員の育成のためには、多くの時間と労力が必要ですが、人手不足の現場にはその余裕がありません。業務の効率化を推し進め少人数でも店舗を運営できる環境づくりが急務となっています。
長時間労働
長時間労働も小売業界における課題の一つです。レジ対応や品出しといった手作業に頼る業務が多いため、勤務時間が長くなりやすく休暇取得日数も少ないといわれています。
そのためそのような手作業に頼る業務の負担を軽減し、効率化することが求められています。
2.小売店におけるRFID導入のメリット

近年は小売店においても、RFIDを活用するケースが増えつつあります。
従来使われているバーコードに代えてRFIDを導入することにより、以下のメリットを得ることが可能です。
- レジ打ち時間の短縮
- 在庫管理の効率化
- 流通工程の合理化および可視化
- 万引き防止
レジ打ち時間の短縮
RFIDタグであれば商品登録を一つ一つ行う必要がありません。カゴ内の商品を一括で読み取ることで、レジ打ちにかかる作業時間を短縮できます。有人レジに加えてセルフレジを導入すれば人手不足の課題解決につながります。
また作業効率だけでなく、お客さまの待ち時間を減らすことによって回転率が上昇し、売り上げのアップにつながる可能性もあります。
在庫管理の効率化
RFIDを活用すれば店舗内はもちろん工場や倉庫に保管されている商品数量も一括で管理できます。商品の在庫数が一定量を下回った場合は自動で発注を行うなど、在庫管理を効率的に行えるようになります。
実店舗とECサイトのデータを連動させることにより在庫情報をリアルタイムに把握することも可能です。
また、非接触で複数のRFIDタグを一括で読み取れるため、従来のバーコードとは異なり、商品を一つ一つスキャンする必要がありません。入荷や商品探索、棚卸しといった業務にかかる時間を短縮できます。
流通工程の合理化および可視化
工場や倉庫からの出荷業務や入荷した商品の検品業務などでもRFIDの導入によって業務効率を向上することができます。
RFIDは、RFIDタグが見えなくても電波が届く範囲内であれば通信することができます。読み取りの際に、箱から商品を取り出す必要がないため、入出荷や検品といった業務の手間を大幅に削減することが可能です。
また、RFIDタグ内にさまざまな情報を書き込めるため商品がいつ作られたのか、今どこにあるのか、いつ届くのかといった情報を知ることもできます。
製造日や流通工程といった、商品に関わる情報をシステムで一括管理することで高水準の品質管理が可能です。
万引き防止
店舗出入り口に商品を一括で読み取れるゲート型RFIDリーダーを設置すれば、未清算の商品を持ったまま店を出ようとした際にブザーがなるシステムを構築でき防犯に役立ちます。
万引き防止用の読み取りタグを、商品管理用のタグとは別に用意する必要がないため、コスト削減やタグ付けを行う時間の短縮にもつながります。
このように、RFIDの導入によって、長時間労働や人手不足といった課題の解決が可能です。接客に注力する時間を増やせるため、サービスの質向上にもつながります。
また、作業時間を短縮できた分棚卸しの回数を増やし、在庫管理の精度を高めることも可能です。
3.サトーのRFIDソリューション「大車輪®SaaS シリーズ」で業務効率化

小売店の業務効率化には、サトーのRFIDソリューション「大車輪®SaaS シリーズ」がおすすめです。店頭に陳列している商品とバックヤードの在庫を、システム上でそれぞれ把握できるようになり陳列漏れが理由の欠品を防ぐことにつながります。
RFIDの一括読み取りにより棚卸しや入荷、在庫検索などの業務にかかる労力を削減することが可能です。それにより接客業務に注力できるようになるため、お客さまの満足度を向上させられるでしょう。
大車輪®SaaS シリーズの詳細は、以下のページもご確認ください。
4.小売店での導入事例
ここからは、実際にRFIDを導入した企業の事例をご紹介します。
大車輪®SaaS導入により棚卸工数の大幅削減を実現
紳士衣料や婦人衣料、子ども衣料をはじめ雑貨商品の企画・製造・販売を行うイオングループの株式会社コックス様は、近年の顧客ニーズの変化に合わせてECの強化に取り組まれています。
しかし、EC関連業務が煩雑化したことや定期的な棚卸し対応などにより現場の負担が増加していました。
また、正確な在庫状況を把握できていないことによる販売機会ロスも発生しており解決策を講じる必要がありました。
同社はサトーの「大車輪®SaaS」を導入し、RFIDによる棚卸し業務を実現。作業時間の大幅な短縮に成功しています。 また、従業員の負担が軽減されたことで、顧客対応に集中できる店舗環境作りにもつながっています。
【導入前の課題】
- ECによる業務増加:返品作業などが多く、現場のオペレーションが煩雑
- 定期的な棚卸しの負担:1回当たり40時間を要しヒューマンエラーも頻発
- 販売機会ロス:倉庫の在庫状況を把握できず、お客さまへの販売機会ロスが発生
【導入による効果】
- リーダーをかざすだけで読み取りが可能なRFIDによる棚卸しを実現
- 棚卸しの作業時間が平均3時間にまで短縮。棚卸し頻度の増加で精度も向上
- 棚卸しや検品の時間が削減され、従業員がお客さま対応に集中
具体的な事例内容については、以下もご確認ください。
5.RFIDは多くのメリットが得られるシステム
ユーザーニーズが多様化している昨今、何がどこで売れているかを踏まえ仕入れを行うことが重要です。商品の取り扱い点数が多く人手不足も深刻な小売店においては、在庫管理や棚卸しに時間が取られ、本来の業務である接客に注力できないことも考えられます。
小売店で見られる課題を効率化によって解決するために、非接触で一括読み取りが行えデータの一元管理ができるRFIDの導入をおすすめします。
RFIDの導入をご検討中の場合は、お気軽にサトーまでご相談ください。
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