
鉄鋼業界をはじめ自動車部品や電子機器などの製造過程においては、高温や低温の過酷な環境下で作業などを行うことがあります。
高温下でのラベルの使用は剥がれたり印字が消えてしまうということが起こる可能性もあるため注意が必要です。
これらに対応するのが耐熱ラベルです。特に熱処理工程がある現場では欠かせないものだといえます。
本記事では耐熱ラベルの特徴やメリット、サトーで提供している耐熱タグ・ラベルなどについてご紹介します。
目次
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1.一般的なラベルと耐熱ラベルの違い

一般的なラベルは高温度帯における使用には適していません。これは熱による表面基材の収縮によって、ラベルが剥がれてしまう恐れがあるためです。
また、ラベルそのものが変色してしまう可能性があります。
耐熱ラベルは耐熱性を備えた特殊粘着剤、表面基材、印字用の表面コート層から構成されています。
そのため、耐熱ラベルは基板のはんだ工程や、鉄鋼業界の製造・管理工程などでよく使用されています。
2.耐熱ラベルなら高温の対象物もID管理が可能に

ラベルが剥がれてしまうと、作業員が調査したり再発行したりする手間が発生するため、熱処理工程を行う過酷な現場では耐熱ラベルの使用が不可欠です。
耐熱ラベルがあれば、高温環境で扱う製品や資材をID管理することが可能です。
一般的な製品や資材と同様に、高温の対象物もトレースを行うことができ生産性の向上が見込めます。
また、専用の貼り付け機器の使用で超高温の対象物に直接貼り付けることが可能な場合もあります。
3.耐熱ラベルの種類と特徴
耐熱ラベルは、複数の基材と粘着剤を組み合わせることによって作られています。
ここでは、耐熱ラベルに使われる基材や粘着剤の種類とそれぞれの特徴をご紹介します。
表面基材による分類
耐熱ラベルに使われる基材は以下の3種類です。
- ポリイミド
- ポリエーテルイミド
- ポリエステル
ポリイミドは、250℃以上(5分間)のリフロー工程で使用されています。
ポリエーテルイミドは、約200℃(5分間)の耐熱性があります。
ポリエステルは、100℃以上の高温環境で使用されています。
表面が白色と銀色の基材があり、銀色はネーマと呼ばれるアルミ蒸着させたタイプがあります。
粘着剤による分類
耐熱ラベルに使われる粘着剤は主に以下の2種類です。
- 特殊アクリル系
- 特殊シリコーン系
アクリル系粘着剤は、アクリルモノマーを共重することで合成されたアクリルポリマーから作られ透明性や耐熱性・耐候性に優れています。粘着力の幅が広く、弱粘着から強粘着まで生産可能です。
シリコーン系粘着剤は耐寒性や耐熱性に優れており、使用できる温度帯が広いという特徴があります。
シリコーンゴム自体は粘着性が低いため、粘着付与剤成分としてシリコーンレジンを使用し必要な粘着特性を得ています。
4.サトーで取り扱っている耐性ラベルの種類と特徴

サトーでは現場のあらゆる環境に対応するために、さまざまな耐性を備えた耐性ラベルを取り扱っています。それぞれの特徴は以下の通りです。
- ケミストラベル
- 耐熱性や耐擦過性に優れ、長期保存が可能な銘板向けラベル。
- 耐熱ラベル
- 260℃の環境で5分間の耐久性を備えたポリイミドラベル。基板のはんだ工程にも対応可能。
- スーパー耐熱タグ・ラベル
- 250~1,000℃の高温度帯で使用できるタグやラベル。鉄鋼業界の工程管理などに使用可能。
サトーでは上記以外にもさまざまな耐性ラベルを取り扱っています。詳細については以下をご確認ください。
5.プリンターを使用したラベルの即時発行

耐熱ラベルは、ラベルプリンターを使用して発行します。
必要な情報を入力してその場で即時発行することが可能です。
なお、ラベルやインクリボンは、純正品の使用をおすすめします。
印字が薄くなったりかすれたりするなど、ラベルやプリンター本来の性能を引き出せなくなる可能性が高いためです。また、純正品の使用で故障回数が減り、修理にかかるランニングコストを削減できる点もメリットだといえるでしょう。
サトーでは、長期にわたり安心してご利用いただけるプリンターサプライの研究開発を行っています。
ラベリング全てに責任を持つメーカーとして、顧客の安定稼働を支えています。
サトーのラベルプリンターの詳細については、以下をご確認ください。
6.耐熱ラベルの導入事例

ここからは、サトーの耐熱ラベルを使用したソリューションをご紹介します。
熱処理を伴う工業製品の生産管理
サトーは、汚れなどで全体の約70%が欠落した場合でも読み取りが可能な自動認識シンボルと最高1,000℃に耐えられるスーパー耐熱タグ・ラベルを組み合わせることにより、今までシステム化が難しかった熱処理を伴う工業製品の生産管理を可能にしました。
高温環境の現場の生産性向上を実現するために、ぜひご活用ください。
【導入前の課題】
- 製造工程で高熱環境にさらされる鉄鋼製品の管理が困難
- 長期間、屋外にさらされていると汚れてしまい管理番号が読み取りにくい
【導入による効果】
- 「スーパー耐熱タグ・ラベル」の使用により、最高1,000℃の高熱環境でも管理が可能
- 専用プリンターでバーコードや2次元コード、デジタルマークの印字が可能
具体的な事例内容については、以下もご確認ください。
7.現場環境に即したラベルを使用することが重要
過酷な高熱環境の現場では、一般的なラベルではなく耐熱ラベルを使用するのがおすすめです。
サトーのラベルプリンターのサプライは、お客さまの個々のご要望にお応えし、数百を超える基材から上紙や糊の強さを組み合わせ、最適な基材をご提案します。
基材開発や製造から出荷までを、すべて自社内で行っている点が特徴です。
品質管理および品質保証に関する国際規格(ISO9001)や、環境マネジメントシステムに関する国際規格(ISO14001)の取得、サトー独自の環境基準の制定など安心を提供する環境づくりにも取り組んでいます。
また、自社プリンターとのマッチングテストも行っており、お客さまが安心してお使いになれるラベルをご提供します。プリンターやラベルに関してお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
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