屋内外のさまざまな場面でモノの情報の表示に使われている「銘板(めいばん)」には、過酷な環境下で長期間使用できる耐久性などが求められます。
ここでは、銘板の基本的な特徴や銘板ラベルの概要、サトーが提供している銘板ラベルについてご紹介します。
目次
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1.銘板とは
銘板とは、機械や電子機器、工場施設といった各種装置の用途や、仕様、型番、製造年月日などを表示するための平板です。名板やネームプレートと呼ばれる場合もあります。
銘板と記載する場合、金属製の板でできたものを指すことが一般的です。
2.主流となりつつある銘板ラベル
金属製の銘板は、製造に時間と手間がかかる点がデメリットです。
納品までに時間がかかることから、欠品を防ぐために必要数よりも多く発注をし、結果として過剰在庫になることもあります。
また、銘板をボルトで留める貼り付け作業が必要となるため、工数もかかります。
一方、ラベル状の銘板ラベルであれば、銘板に比べ時間や費用、取り付けの手間がかかりません。ラベルプリンターを使用して1枚単位の印刷や可変データの印刷も可能です。多くのシーンで柔軟に活用できる点が銘板ラベルのメリットです。
3.銘板ラベルによく使われる基材
銘板ラベルは風雨にさらされ温度変化がある過酷な屋外環境化での使用を想定し、耐候性や耐熱性などを備えたラベルが用いられます。ここでは、銘板ラベルによく使われる基材を3つご紹介します。
PETラベル
ポリエチレンテレフタレートを原料にした銘板ラベルは、PETラベルと呼ばれています。
透明タイプや発泡タイプなど、ラベルの種類は非常に豊富です。
PETラベルは耐薬品性や熱耐性を備えているため、工業系の現場で多く使用されます。
ポリイミドラベル
耐熱素材に熱転写コートを施した銘板ラベルが、ポリイミドラベルです。
PETラベル以上の耐熱性を備えているため250℃以上の高熱環境下の現場でも使用されるケースがあります。加えて、耐薬品性にも優れています。
上記の特徴から、ポリイミドラベルは自動車や鉄道車両、航空機の製造や製鉄の現場で活用されます。
ネーマラベル
PETに蒸発したアルミを付着させメタリックな色調をもつ銘板ラベルが、ネーマラベルです。
耐熱性だけでなく耐久性や耐水性、耐薬品性にも優れており屋内外を問わず多くの用途で使用されています。
4.銘板ラベルによく使われる粘着剤
銘板ラベルは、使用する粘着剤の種類も重要です。
粘着剤の粘着力によって剥がれやすさなどが変わります。
代表的な粘着剤の糊質と特徴は、以下の通りです。
- 強粘着
- 粘着力が強く、一度貼ったら剥がす必要がない用途で使われる
- 超強粘着
- 強粘よりもさらに粘着力が強いタイプ
- 弱粘着
- 粘着力が弱く、剥がす必要がある用途に使われる
- 再剝離糊
- きれいに剥がせて、再度貼り付けることができるため、再剥離が必要な用途に使われる
- 冷凍糊
- 低温環境でも貼り付きが良いタイプ
これらの他にも、油分が付着したものに貼り付けられる油面糊や、コンクリートや木材などの粗い面にも使える粗面糊など、特殊な粘着剤も使われます。
5.現場で銘板ラベルを使用する際の課題
実際の現場で銘板ラベルを使用する際には、さまざまな課題が想定されます。
銘板ラベルが劣化してしまう
屋外環境で銘板ラベルを使用する場合、紫外線や風風などの影響を考慮しなくてはいけません。特に銘板ラベルの貼り付け対象が高所にある場合は、すぐに貼り換えることが困難なため劣化スピードにはより気を配る必要があります。
銘板ラベルを貼ることは難しい
実際の現場で、表面が平坦ではないものに銘板ラベルを貼ったり、薬剤の影響を受ける場所や高温環境で使われる部品にラベルを貼ることも考えられます。
6.サトーで取り扱っているラベルの種類と特徴
サトーでは、現場のあらゆる環境に対応するために、さまざまな耐性を備えたラベルを取り扱っています。
各ラベルの特徴は以下の通りです。
- ケミストラベル
- 耐熱性や耐擦過性に優れ、長期保存が可能な銘板向けラベル
- スーパーケミスト
- ケミストラベルよりも高い耐溶剤性を備えているラベル
- ウルトラベル
- 屋外放置10年相当の対候性を備えたラベル
- 耐熱ラベル
- 260℃の環境で5分間の耐久性を備えたラベル
- スーパー耐熱ラベル
- 250~1,000℃の高温度帯で使用できるラベル
- テクノサーマル
- 耐光性に優れ、ラベルの黄ばみが少ないサーマルラベル
- タフネオサーマル
- 耐水擦過や耐薬品擦過に強く、屋内で約2年、半屋外で約1カ月印字の読み取りが可能なラベル
サトーが提供するラベルプリンターのサプライの詳細については、以下も併せてご確認ください。。
7.銘板ラベルと併せてラベルプリンターを導入するのも効果的
銘板ラベルを活用する際は、ラベルプリンターも併せて導入するとより効果的です。ラベル印刷を外部業者に依頼する必要がなくなる点は大きなメリットです。サトーの銘板ラベルはお客さまの個々の要望にお応えし、上紙や糊の強さを組み合わせ、最適な基材をご提案します。サトーでは基材開発や製造から出荷までのプロセスをすべて自社内で行っています。
品質管理および品質保証に関する国際規格(ISO9001)や環境マネジメントシステムに関する国際規格(ISO14001)の取得、サトー独自の環境基準の制定など、安心を提供する環境づくりにも取り組んでいます。もちろん、自社のラベルプリンターとのマッチングテストも行っており、お客さまが安心してお使いになれるラベルプリンターとサプライをご提供しています。
サトーのラベルプリンターの詳細については、以下もご確認ください。
8.銘板ラベルを活用した導入事例
ここからは、サトーの銘板ラベルを活用した事例をご紹介します。
超耐候性ラベルによる屋外設備の管理
電気やガスなどの計器類、道路付帯設備、消防関連設備、防災設備、立体駐車場といった屋外の現場においては、ラベルの劣化や管理コストの増加が課題です。
サトーの超耐候性ラベル「ウルトラベル」を活用したソリューションを導入することによって、これらの課題を解決することが可能です。
【導入前の課題】
- 屋外で使用しているため、銘板ラベルの劣化が早い
- 屋外に長期設置する設備や機械などの管理・点検を効率化したい
- 帰社後に作成している作業報告書を外出先で完結させたい
【導入による効果】
- 超耐候性に優れた銘板ラベルは、屋外で約10年使用することが可能
- QRコードの活用で屋外設備の管理・点検業務を効率化
- 点検・保守の作業報告書をその場で印刷できるため、帰社後の事務作業を軽減
具体的な事例内容については、以下もご確認ください。
9.銘板ラベルで手間やコストの削減を
銘板ラベルは、金属製の銘板よりもコストがかからず、基材の種類も豊富です。ラベルプリンターを使用すれば即時発行が可能です。
用途に適した銘板ラベルを導入し、貼り直しの手間や発注コストの削減をめざしてみてはいかがでしょうか。
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- ラベル・シール