
商品そのものにデザインが施されている場合、シール(ラベル)を貼ることで一部が隠れてしまい、デザインの良さが損なわれてしまうことがあります。また、容器に入った商品の中身が見えるようにしたい場合も、不透明や半透明のシールでは中身が見えません。
これらのようなケースを解決する方法の一つが透明シール(透明ラベル)です。透明シールには一般的なシールと異なる特徴があり、きれいに貼るためにはいくつかのポイントがあります。
本コラムでは、透明シールの特徴と使用する際に注意したいポイントをご紹介します。
目次
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1.透明シールの特徴

透明シールとは、その名のとおり透明の基材を使ったシールを指します。以下のような透明性が求められるシーンで活用することができます。
- シールを目立たせたくない
- 被着体の容器の色やデザインを活かしたい
- シールの耐性を強化するためにラミネートしたい など
透明シールは、目立たせずに貼り付けられる点が特徴です。食品や飲料水、化粧品など、デザインが重視されるさまざまな商品に活用できます。
2.透明シールの基材

透明なシールを作る際はフィルム系基材を使うことが一般的です。ここでは代表的な基材の特徴をご紹介します。
透明PET
透明PETとはポリエチレンテレフタレートのことで、ペットボトルや磁気テープ、衣類など世界中で使用されている素材です。透明PETの強みは透明度の高さです。商品に施されたデザインや、透明容器に入った商品の中身を隠すことなくシールを貼り付けられます。
透明PP
透明PPのPPとはポリプロピレンのことで、パンフレットや店頭のポップなどをはじめ日常のさまざまなシーンで使用されている素材です。透明PETと比べると透明度が劣る一方で透明PETよりも安価で入手しやすいほか、素材が柔らかく延伸性があるのが特徴です。そのためボトルや球体のような曲面にシールを貼る際に適しています。
セロファン(セロハン)
木材パルプから製造された透明な素材です。プラスチックフィルムと比較して耐水性は劣りますが、環境に配慮した天然由来のフィルムとして注目されています。
このように基材によって特徴が異なるため、用途や被着体に合わせて選定することが大切です。
3.透明シールを使用する際に注意したいポイント

透明シールを使用する際の注意点として以下のポイントを押さえておくことが重要です。
- 気泡を入れないように貼り付ける
- シール自体の文字が読めるか確認する
- 透明度の低下に注意する
- 用途に適した基材を選定する
気泡を入れないように貼り付ける
透明シールは不透明のシールに比べて気泡が目立ちやすいという弱点があります。そのため、貼り付け作業時に気泡が入り込まないような工夫が必要です。例えば、台紙にスリットを入れることで貼り付けやすくなります。
シール自体の文字が読めるか確認する
濃い色や複雑なデザインの商品や容器に透明シールを貼り付ける場合、シールに印刷された文字やデザインが見えにくくなる可能性があります。また、読み取りに影響するため、バーコードや2次元コードの印字にも注意が必要です。
文字やデザインを見やすくするためには被着体と異なる色でデザインをしたり、下地に白インクを印刷するなどの工夫が必要です。
透明度の低下に注意する
水溶性の粘着剤を使用している場合、水濡れする用途で使用すると粘着剤が白濁化し、透明度が低下するので注意が必要です。
また、屋外使用などの用途で耐候性のない基材を使用すると、日光の影響で表面基材が黄変する恐れがあります。
用途に適した基材を選定する
トラブルを未然に防ぎ、理想通りのシールを作るには用途に応じて基材を選ぶことが重要です。
被着体の素材や温度、保管環境などさまざまな要素がシールの貼り付けやすさや剝がれにくさに影響を与えます。デザイン性だけでなく、用途に合わせて必要な耐性や粘着力を持った基材を選定することが大切です。
4.サトーの透明シール

サトーでは、現場のさまざまなニーズに応えるために以下のような透明基材を取り扱っています。
- 透明PET
- ルセントサーマル
- エコラベクリア など
透明PET
プリンター用でよく使われる基材です。
耐熱性、耐水性、透明性に優れています。粗面への貼り付けや長期保存への適正など、幅広い用途に対応可能です。
ルセントサーマル
インクリボンを使用しない、感熱方式に対応したプリンター用基材です。
食品、小売分野でよく使われるサーマルタイプのプリンターでもデザイン性を損なわず印字することが可能です。
エコラベクリア
植物由来の原料を使用した生分解性のある基材です。デザイン性を重視しながら、プラスチック使用量の削減も実現します。
サトーはお客さまの個々の要望にお応えし、数百を超える表面基材と粘着剤を組み合わせた最適な1枚をご提案します。
基材開発や製造から出荷までをすべて自社内で行っており、品質管理および品質保証に関する国際規格(ISO9001)や環境マネジメントシステムに関する国際規格(ISO14001)の取得、サトー独自の環境基準の制定など安心を提供する環境づくりも行っています。
なお、印字の擦れや欠けなどの不具合を減らし高品質な印字を行うため、サトーのプリンターには純正ラベルのご使用をお勧めしています。
サトーのプリンターラベルとシール(プライマリーラベル)の詳細は以下でご確認ください。
5.ポイントを押さえて透明シールを活用しよう
透明基材を使用すれば、商品のデザイン性を損なうことなくシールを利用することが可能です。
ただし、貼り付ける商品によってはシールに印字された文字が読みにくくなることがあります。また、用途に応じて必要な耐性が異なるため、事前の貼り付けテストをした上で最適な基材を選定することが重要です。
サトーではさまざまな基材を取り扱っています。シールをお探しの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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- ラベル・シール
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