
製造業において、品質やコスト、納期などを考慮し、全工程の最適化をするために重要な業務が「製品管理」です。しかし、多くの企業が製品管理に関する課題を抱えています。
本コラムでは、製品管理の概要、課題、そしてそれらの解決につながるサトーのシステムをご紹介します。
目次
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1.製品管理とは

製品管理とは「生産管理」や「品質管理」を含む、幅広い意味での管理を意味する言葉です。生産後の製品管理(在庫管理)を指す場合もあります。
製品管理は、製品を作るときに顧客や市場の要求を考慮した上で、納期やコスト、満たすべき品質をチェックする目的で行うものであり、極めて重要です。製品管理では各工程の管理を行い、製品の品質を担保することが求められます。
2.製品管理における3つの課題

製品管理においては、作業者が直面する主な課題として、次の3点が挙げられます。
- モノ探しに時間がかかる
- 作業が属人化する
- 目視・手作業によるミスが起こる
ここからは、それぞれの課題について解説します。
モノ探しに時間がかかる
現場で取り扱う製品の数や種類が多くなるほど、保管場所や管理方法のルールが複雑化します。製造や出荷工程で使う備品や、製品の在庫を探すのに時間がかかることなどは、作業に無駄な時間を費やす原因になり得ます。
また、在庫状況や適正在庫を把握できないと、欠品や過剰在庫が発生する恐れがあります。欠品によって販売機会を逃したり、過剰在庫によって無駄な経費が増加したり、といったことにつながります。
作業が属人化する
製品管理では、特定の作業者に業務が依存しやすい点も課題です。
それによって、「品質が作業者の経験や勘、技術に左右される」、「同じ業務内容でも作業者によって手順が異なる」、「特定の作業者にしか業務の流れが分からない」などといった問題が発生します。
作業が属人化すると、工程に遅れが生じたり、部門間の連携がスムーズにいかない可能性も考えられます。万が一担当者が不在となった場合でも製品管理を支障なく行うには、属人化を防ぐための施策が必要です。
目視・手作業によるミスが起こる
製品管理は、ロット数や期限別の在庫管理、出荷業務といった記録を伴う作業が多く、人的ミスが起こりやすい点も課題の一つです。
例えば、原材料や商品の在庫確認に不備があった場合、使用期限切れによる原材料の廃棄や商品の販売機会の損失につながってしまいます。特に、目視確認や手入力などのアナログな方法で製品管理を行っている場合、カウントミスや入力ミス、計算ミスなどが発生しやすいため、人手に頼らない改善策が必要です。
3.製品管理を効率化する方法

製品管理の効率化にはどのような手法が有効でしょうか。ここでは、システム導入のメリットをご紹介します。
システム化によって、目視や手作業によって発生していた、作業遅延や出荷ミス、余剰在庫などを削減する効果が期待できます。
例えば、原材料の入荷から製品の出荷まで、製造全体を管理することでトレーサビリティの構築につながります。その結果、「製品がどこにあるのか」「どのような原材料が使われたのか」といったことを把握できるようになり、万が一問題が発生した場合も原因を早期に特定しやすくなります。
さらに、作業員の知識やスキルに差があっても同じ品質で作業ができるようになるため、品質安定化と属人化の防止も可能です。
4.効率的な製品管理を実現するサトーのトレーサビリティシステム
効率的な製品管理を実現するためには、サトーのトレーサビリティシステムを導入するのがおすすめです。原材料の入荷から製造、出荷までをクラウド上でデータ管理できます。
ここでは、サトーの「Trace eye® Material-Pro」と「Trace eye® FOOD-Pro」という2つのシステムをご紹介します。
Trace eye® Material-Pro

Trace eye® Material-Proは、化学・素材製造業の生産現場において、原材料の入荷から製造・製品出荷まで全体を管理し、業務効率化を実現するシステムです。自動認識技術を活用して作業効率と品質を向上させ、モノの流れを情報化することが可能です。
ここからは、本システムの特徴とモジュールをご紹介します。
- タギングモジュール
- 原材料ラベルの発行を可能にするモジュールです。
各メーカーのマスタ情報を元に原材料ラベルを生成できます。また、ラベル発行情報を共有し、企業間における情報連携をサポートすることも可能です。 - 原材料管理モジュール
- 原材料の入荷業務、在庫業務、移動業務を管理するモジュールです。
在庫リストの参照・出力が可能なほか、リアルタイムに在庫情報を確認できます。 - 製造管理モジュール
- 製造指示に対して原材料の使用状況を確認できるモジュールです。
歩留まりを管理し、完成品ラベルを発行します。2次元コードをスキャンして、原材料の使用履歴をデータ化することも可能です。 - 製品管理モジュール
- 製品在庫の計上やロット別、期限別の在庫管理をサポートするモジュールです。
ピッキングリスト作成にも対応し、スムーズな出荷作業をサポートします。
Trace eye® FOOD-Pro

Trace eye® FOOD-Proは、食品製造業の生産現場において、原材料の入荷から製造・製品出荷までを管理し、業務効率化を実現するシステムです。
Trace eye® Material-Proと同様に、タギング、原材料管理、製造管理、製品管理のモジュールを持ち、クラウド上のプラットフォームを活用して在庫状況を可視化します。
Trace eye® FOOD-Proは食品業界に特化しており、品質管理や食品安全性に重点を置いている点が特徴です。
5.製品管理の課題はシステムで解決!
製造業において、製品管理は重要な業務の一つです。しかし、業務の属人化やアナログ作業によるミスの発生といった課題を抱えやすいという実態も見受けられます。
安定して精度の高い製品管理を行うには、システムの導入がおすすめです。
サトーでは現場の運用に合わせたシステムのご提案をしています。製品管理で課題を感じている場合は、お気軽にご相談ください。
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