食品ロスは、飲食店経営におけるコストや業務効率だけでなく、環境負荷の増大や地球資源への悪影響を及ぼす重要な課題です。
特に外食産業では、日々変動する来店数への対応や衛生管理に追われる中で、食材管理が属人的になりやすく、その結果として食材の廃棄ロスが発生してしまうケースも少なくありません。
人為的なミスを減らし食材の廃棄を最小限に抑えるには、食品ロスの実態を正しく理解し、現場で実践可能な対策を知ることが重要です。
本コラムでは、日本全体の食品ロスの現状や、飲食業界における食材の廃棄ロス削減につながる取り組みの例をご紹介します。
目次
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1.世界と日本の食品ロスの現状
食品ロス(フードロス)は、世界的に大きな問題になっています。2023年度時点の日本における食品ロスの量は年間約464万トン(前年度472万トン)。そのうち231万トンを事業系食品ロス、233万トンを家庭系食品ロスが占めます。
事業系食品ロスの割合は、食品製造業が47%(108万トン)、外食産業が29%(66万トン)、食品小売業が21%(48万トン)、食品卸売業が4%(9万トン)です。
外食産業は作りすぎや食べ残し、賞味期限など、製造業・小売業・食品卸売業は規格外品や返品、売れ残りが食品ロスにつながっています。
出典:環境省「我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和5年度)の公表について」/消費者庁「食品ロス削減関係参考資料」
2.飲食店における食品ロスの発生理由
事業系食品ロス全体は減少傾向にあるものの、外食産業では近年も食品ロスがやや増加しています。外食産業で食品ロスが発生する主な原因としては、以下が挙げられます。
- 食材管理の問題
- 調理やオーダーミスの問題
- 食べ残しの問題
食材管理の問題
食品ロスの主な原因の一つ目が、食材管理の問題です。仕入れや発注を過剰に行ってしまう、食材を使い切れずに賞味期限・消費期限が切れてしまうなど、日常業務の中で食材の廃棄によるロスが発生しています。
来店予測に対して仕入れ量が多すぎると、使用する前に食材が傷んでしまうケースも少なくありません。食材の廃棄ロスを防ぐためには、常に適正在庫を保つことが重要です。
また、先に仕入れた食材から使う「先入れ先出し」が徹底できていないことも食材の廃棄ロスの要因となります。賞味期限・消費期限を正しく把握し、食材を使い切ることが必要です。
調理やオーダーミスの問題
調理ミスやオーダーミスも、食品ロスにつながる代表的な原因です。提供できなくなった料理は再利用が難しく、そのまま廃棄されてしまいます。
食べ残しの問題
顧客による食べ残しも、食品ロスの大きな要因です。料理のボリュームや内容に関する情報が分かりづらいなどが原因で、注文時のミスマッチが発生します。
3.飲食店における食材期限管理の課題
飲食店において、安心・安全な料理を提供する上で食材の期限管理への対応が必須です。正しく期限管理を行うと、結果として食材の無駄な廃棄が減り、食品ロス削減にもつながります。適切な管理を行うには、以下のような課題への対応が必要です。
- ヒューマンエラー
- 作業負担の増加
ヒューマンエラー
飲食店では、食材の期限管理を人手に頼っているため、期限の書き忘れや加算日付の計算ミス、読み間違い、見落としといったヒューマンエラーが発生しやすいことが課題です。
この課題に対しては、期限管理ラベルや、在庫量と賞味期限・消費期限をシステム上で把握できるツールを活用し、目視や手書きによる管理を減らすことが有効です。
作業負担の増加
目視による期限管理は時間がかかりやすく、人手や時間に余裕のない飲食店では後回しになりがちです。その結果、期限切れによる廃棄が発生し、食品ロスにつながる恐れがあります。
現状の体制のまま作業負担を抑えるには、誰でも簡単かつ時間のかからない仕組みづくりが重要です。例えば、食材期限管理システムを導入し、作業に必要な時間を削減することで、手間をかけずに適切な管理状況を保つことが可能です。
4.ツールを活用して傷む前に食材を使い切ろう
食材の期限を正しく管理し、安全性を確保するとともに廃棄ロスを防ぐには、便利なツールを活用して、日々の期限管理を正確かつ効率的に行うことがおすすめです。
ここでは、ハンドラベラーとラベルプリンターを活用した解決策をご紹介します。
ハンドラベラー
食材の消費期限・賞味期限を手書きで管理していると、書き間違いや読み間違いといったミスが起こりやすいです。ハンドラベラーを使って必要項目を印字・貼り付けすることで、表記を統一し、読み間違いのミスを減らせます。また、多店舗を展開しているため使用する台数が多い場合でも、導入コストを抑えられる点もメリットです。
ハンドラベラーを使用した管理の詳細は以下でご確認ください。
ラベルプリンター
より高度な管理を行いたい場合は、ラベルプリンターの活用がおすすめです。食材管理リストのデータと連携することで期限を自動反映でき、手作業による日付設定時のミスや、作業にかかる時間を削減することができます。
また文字情報の他にバーコード・2次元コードも印字可能です。ハンディターミナル等で読み取ることで、期限チェックを目視よりも正確に行うことができます。
ラベルプリンターを使用した期限管理の詳細は、以下でご確認ください。
5.食材期限管理の導入事例
ここからは、サトーの食材期限管理ソリューションを実際に導入し、業務改善につながった事例をご紹介します。
食材の使用期限を自動計算し、フードロスを削減
静岡県内で「炭焼きレストランさわやか」を展開するさわやか株式会社様は、食材の入庫時に原材料リストと入荷日を突き合わせて手書きで使用期限を計算・記入しており、平日は1人で30分、週末は2人で1時間を要していました。
食材ごとに異なる使用期限の計算や記入作業は煩雑で、ラベルの貼り忘れや記入漏れ、判読困難な文字が頻発し、期限不明の食材は衛生面から廃棄せざるを得ない状況でした。
そこで同社は、食材マスタと連携した管理ラベル発行システムを導入しました。
作業時間と食品ロスが大幅に削減され、食材期限管理に適したオリジナルラベルの採用で異物混入や什器汚損のリスク軽減にもつながりました。
【導入前の課題】
- 手作業によるラベル作成に多大な時間や労力を要していた
- ラベルの貼り忘れや記入漏れなどで食材ロスが発生していた
- 旧ラベルは剥がれやすいにもかかわらず、剥がした際に糊が什器に付着することがあった
【導入による効果】
- プリンターで期限日付を自動計算。大幅な工数削減になった
- 管理精度が向上し食材ロスを大幅に削減
- 剥がしやすく、剥がれにくいラベルで異物混入や什器汚損のリスクを削減
具体的な事例内容については、以下もご確認ください。
400品目の食材管理のヒューマンエラーをゼロに
ファミリーレストランチェーンを展開するロイヤルホスト様では、約400品目の食材ごとに許容時間(消費期限・賞味期限)を規定しています。従来は紙のリストを確認しながら、手動で期日をラベルに印字しており、リスト照合ミスや日付設定ミスといったヒューマンエラーを完全には防げないことが課題でした。
そこで、サトーのタッチパネル式ラベルプリンター「FLEQV(フレキューブ)」を導入。本部で一元管理する食材管理リストのデータを各店舗のプリンターへクラウド経由で配信することで、現場の作業負荷とミスの両方を抑えられる仕組みづくりに踏み切りました。
【導入前の課題】
- スタンプなどによる消費・賞味期限の日付印字に3~5分/件の作業時間がかかっていた
- 目視によるリストの確認、手作業によるハンドラベラー操作でヒューマンエラーが発生した
- ラベル印字で業務が中断され、調理や接客など本来の仕事に集中できなかった
【導入による効果】
- 項目選択のみの簡単操作で、ラベル発行作業が数秒で完結
- データの一元管理と直感的な操作性で、ヒューマンエラーを解消
- 調理・接客など本来の業務に集中でき、生産性が向上。売り上げ増にも貢献
具体的な事例内容については、以下もご確認ください。
6.ツールを活用して食品ロスの削減を
外食産業では、食材管理や調理などの業務の中で食材の廃棄ロスが発生しやすく、食品ロスの要因の一つとなっています。
安心・安全な食品の提供において重要である、適切な食材の期限管理を行うことで、結果として廃棄ロスを削減することが可能です。
しかし、手書きや目視による管理は作業負担が大きく、ヒューマンエラー発生のリスクがあります。
確認・記入ミスを減らし作業効率を上げるには、ハンドラベラーやラベルプリンターなどのツールを活用し、適切な期限管理を仕組み化することが有効です。
食材の期限管理でお悩みの場合は、サトーへお気軽にご相談ください。
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