
工場をはじめとする製造現場では、原材料や商品の在庫管理、資産管理、作業工程管理などのさまざまな管理が必要です。作業品質の担保や確認にかかる時間を短縮する方法として、バーコード・2次元コードなどの印字をしたラベルやICチップにIDの書き込みをしたRFIDタグ・ラベルの活用が挙げられます。
本コラムでは、ラベルを発行するために重要な「ラベルプリンター」を工場(製造現場)に導入するときのポイントや、サトーの製造現場向けラベルプリンターをご紹介します。
目次
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1.工場・製造現場にラベルプリンターはなぜ必要?

工場・製造現場で製品の品質管理や在庫管理などの効率化や正確性を向上するためには、使った原材料や作業実績、在庫状況などの情報をひも付けて管理することが必要です。それを実現する方法の一つにバーコードや2次元コードなどの印字をしたラベルやICチップにIDの書き込みをしたRFIDタグ・ラベルの使用が挙げられます。
モノや人に情報がひも付くことで目視や手書きによる作業が減り、経験やノウハウに頼らない運用を実現することが可能です。
正確な情報を集め現場に合った形で運用をするには、品質の良いバーコード・2次元コードなどを印字できる専用のラベルプリンターが必要不可欠です。
2.工場・製造現場でラベルプリンターを導入するときのポイント

一口に工場・製造現場と言っても、現場によって製造する製品の種類や量、製造工程はさまざまです。高温・低温環境や危険な薬剤の使用など過酷な環境におかれる場合も少なくありません。そのため、現場の環境や運用に合わせてラベルプリンターを用意することが大切です。
ここでは、工場・製造現場でラベルプリンターを導入するときのポイントをご紹介します。
耐久性
工場・製造現場では、耐久性に優れたモデルを選ぶことが大切です。
現場の環境によっては、業務中に生じた粉塵などの影響を受けたり落下物などによる衝撃を受けたりする恐れがあります。また、長時間の運用や大量のラベル発行、耐性の強い特殊なラベルの発行が必要な場合があります。このような現場の環境や運用に耐えられる設計のラベルプリンター選びが重要です。
メンテナンス性
日頃の操作性やメンテナンスの容易さも、ラベルプリンターを導入するときのポイントです。
ラベルプリンターのカッタやサーマルヘッド、プラテンローラーは、使用していく過程で汚れたり摩耗することがあるため定期的に交換や清掃が必要です。また、インクリボンやラベルなどの消耗品はラベルを発行していく中で必ず交換が必要になります。消耗品・部品の交換や清掃の手順が簡単な機種であれば、メンテナンス作業に起因する現場のダウンタイムを最小限に抑えることが可能です。
また、メーカーのサポート体制が充実しているかどうかも重要です。セルフメンテナンスのしやすさだけでなく、万が一故障した場合の迅速なサポートや、故障前メンテナンスを行う「予防保守」などの保守サービスを受けられる体制が整っているかどうかも確認しておくと安心です。
設置環境
ラベルプリンターの導入にあたっては、工場・製造現場内で設置に必要な機器のスペースを確保できるかを確認することが大切です。
例えば、ラベルプリンターの周囲に他の機器や書類などがある場合は、消耗品の交換などを行うための作業スペースがあるかの確認が必要です。
作業性
工場・製造現場へ導入するラベルプリンターを選ぶ際には、作業性にも留意する必要があります。業務用のラベルプリンターは、パソコンからデータ登録・ラベル発行を行うタイプが一般的ですが、パソコンを使わず(PCレス)にラベル発行ができるモデルやPLC(Programmable Logic Controller:制御装置)、計量器などの周辺機器と連携できるモデルもあります。周辺機器からのデータをもとに印字に必要なデータの作成・ラベル発行が可能なモデルは、必要最低限の操作でラベルができます。生産工程の流れの中でラベル発行の作業性・効率性を高めることができます。
また、印字したラベルの自動カットや印字したラベルを台紙(剥離紙)から自動で剥離するなどの機能の有無も作業性に直結します。ラベルを一枚ずつ発行しその場で貼り付けを行いたい場合は剥離仕様、任意の枚数で自動カットしたい場合はカッタ仕様など、運用に合わせて選択できる機能があればより快適に作業を行うことが可能です。
さらに、多国籍の作業者が使用する場合、操作パネルの表示やソフトウェアが複数の言語に対応しているラベルプリンターを導入することもポイントです。
発行量・印字スピード・印字品質
印字スピードの速さは、工場・製造現場に導入するラベルプリンターを選ぶときの重要なポイントの一つです。大量に印字する場合、ラベルの発行スピードによって全体の作業時間が大きく変動します。
高速でラベルを印字できるラベルプリンターであれば、生産ラインの流れを止めずに作業を進められます。もちろん、高速で印字しても印字品質が安定していることが求められるため、発行スピードと印字品質のバランスに留意しなくてはなりません。
毎日大量のラベルを印字する現場では、ラベルがなくなるスピードも速いため、ラベルの掛け替えによって作業が中断する頻度が高くなります。その場合は本体の発行スピードだけでなく、一度に大量のラベルをセットできるラベルプリンターや、長いインクリボンを搭載できるラベルプリンターを選ぶと安心です。
3.工場での使用におすすめ!サトーの製造現場向けラベルプリンター
ここからは、工場・製造現場での使用に適したサトーのラベルプリンターをご紹介します。
スキャントロニクスCL4NX-J Plusシリーズ

スキャントロニクスCL4NX-J Plusシリーズは、幅広いバリエーションで用途や運用方法に合わせてモデルを選べる点が魅力のラベルプリンターです。
「SOS(SATO Online Services)」対応により、現場での安定稼働を実現します。SOSは、IoT技術を活用してプリンターの稼働状況を見守り、予防保守で機器の停止を未然に防ぐリモート保守サービスです。
24時間365日システムでプリンターを監視し、稼働状況に基づく予防点検をタイムリーに実施します。また、エラー自動通知機能により迅速な現場復旧をサポートできる点も特徴です。
さらに、印字ユニットが大きく開くため、ラベルの交換や内部の清掃といったメンテナンスも簡単に行えます。コンパクトな折りたたみ式のサイドカバーを採用しており、設置に必要なスペースを削減することも可能です。
耐熱ラベルをはじめとした特殊基材のラベルカットや、PLCや計量器などさまざまな周辺機器との連携など、豊富な機能・オプションで現場に合わせた運用を実現します。
SALI® for スキャントロニクス CL4NX-J Plus

SALI® for スキャントロニクス CL4NX-J Plusはラベルプリンターと検査専用パソコンが一体となったモデルです。ラベル発行と同時に印字の検査を行えます。印字の目視検査を自動化し、人的ミスや作業工数の削減を実現します。
検査項目や検査領域の設定は不要で、手軽に導入することが可能です。印字不良を検知するとラベルプリンターが自動で動作を停止し、ラベルプリンター本体のLEDと警告灯(オプション)で通知することで、不良ラベルの混入を防止します。
また、発行されたラベルの画像を全て保存できるため、トレーサビリティの向上に有効です。
スキャントロニクスHA200Rシリーズ

スキャントロニクスHA200Rシリーズは、高精細、高精度な印字に特化したラベルプリンターです。±0.3mmの高精度な印字位置を実現できる他、送り3mmの短いラベルの剥離も可能です。
また、剥離センサーが左右に移動可能なため、多列ラベルや異型ラベルの剥離にも対応しています。コンパクト設計のため、設置スペースが限られている現場でも活躍します。
多彩なインターフェースを標準搭載しており、オプションの簡易入力装置と接続すればスタンドアロンでもラベルの発行も可能です。
4.ラベルプリンターで現場の課題を解決しよう
工場・製造現場でラベルプリンターを導入するときのポイントは、以下のとおりです。
- 耐久性
- メンテナンス性
- 設置環境
- 作業性
- 発行量・印字スピード・印字品質
ラベルプリンターを工場・製造現場などの現場で活用することで、業務効率の改善や人的ミスの削減、作業の属人化などの課題解決に役立てられます。
ラベルプリンターの選定でお困りの場合は、お気軽にサトーにご相談ください。
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