
医療業界では日々新しい技術や手法、機器などが開発されています。
最近では医療現場において、医療従事者と患者の双方にメリットがあるRFIDの活用に注目が集まっています。中でもRFIDを利用した三点認証(三点照合。以下三点認証に統一)の仕組みは看護師の作業時間の短縮と患者のストレス軽減を図れます。
ここでは三点認証の概要を実際の事例とともにご紹介します。
目次
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1.医療現場での三点認証とは

医療現場における三点認証とは医師の指示をもとに患者・薬剤(注射・点滴)・看護師の3点に間違いがないかを薬剤の投与前に確認する作業のことです。三点認証を行うことで患者誤認を防止し、誰がどの患者にどの薬を投与したのかが記録できます。
三点認証は以下の手順で行われています。
- 患者の腕に装着したリストバンド上のバーコードをリーダーで読み取り、医師の指示を確認する
- 薬剤(注射・点滴)のバーコードを読み取り、医師の指示どおりか確認する
- 看護師が自身のバーコードを読み取る
一般的に医師の処方とは異なる薬剤が用意されていた場合、アラートで誤りを知らせる仕組みになっています。また「どの看護師がいつ対応したか」といった記録も残せるため、業務管理の精度向上にもつながります。
2.RFIDを活用した三点認証のメリット

医療安全の観点からバーコードによる三点認証の仕組みが広く運用されていますが、業務効率化や看護師、患者双方の心理的な負担軽減が期待できるのがRFIDを活用した三点認証です。
RFIDとは無線通信で情報の読み書きを行えるシステムのことで、近年さまざまな業界・業種で導入が進んでいます。三点認証でRFIDを活用する主なメリットは以下の2つです。
- 隠れているリストバンドも読み取り可能
- 複数タグを一括で読み取り可能
隠れているリストバンドも読み取り可能
RFIDは読み取り時にリストバンドとRFIDリーダーを接触させる必要がありません。リストバンドが隠れていても情報が確認できます。
バーコードを読み取る方法では、布団によってバーコードが隠れていると、患者の状況によって読み取れないケースも発生していました。
一方、RFIDを活用した三点認証ならリストバンドが布団の下に隠れていても読み取れます。寝ている患者を起こさずに照合を完了できる点は、RFIDを活用する大きなメリットです。
複数タグを一括で読み取り可能
RFIDは電波が届く範囲内であれば、複数のタグを一括で読み取れます。バーコードを一つ一つ読み取る必要がなく、看護師の作業時間を大幅に短縮できます。
例えば採血時には患者1人につき採血管3~4本の採血が必要なことが多く、バーコードの場合は1本ずつ読み取るため時間がかかります。RFIDの採血ラベルでは一度に複数読み取ることが可能です。空いた時間を他の業務に充てることができベッドサイドでの患者とのコミュニケーション増加にもつながります。
3.RFIDを活用した三点認証の導入事例
ここでは、実際にRFIDを活用した三点認証の導入事例を紹介します。
RFIDを利用した「ベッドサイド三点認証システム」

バーコードによる方法は、読み取る際にバーコード部分が見えていなければいけません。リストバンドが布団に隠れている場合、寝ている患者を起こしてしまうことがあり、患者、看護師双方にとって心理的なストレスにつながります。
また採血時には複数の採血ラベルを一本ずつ読み取ることに時間がかかり、看護師に作業負担がかかっていました。
これらの課題を解決するために、サトーはRFIDリストバンドによるベッドサイド三点認証システムを開発し、医療現場への導入を進めています。
【導入前の課題】
- 就寝中の患者さんを起こしてしまう恐れがある
- バーコードを一つ一つ読む必要があり、看護師の負担が大きい
【導入による効果】
- 布団の上から読み取れるため、寝ている患者を起こさずに照合できる
- 採血管の一括読み取りで看護師の作業負担を軽減できる
具体的な内容については以下もご確認ください。
4.RFIDを活用した三点認証を導入
今回は基本的な三点認証の知識と重要性、RFIDリストバンドの導入事例についてご紹介しました。
バーコードを使った三点認証システムの場合は患者に負担をかけたり、読み取りに時間がかかったり、実際の運用面においては課題があります。
患者や看護師の負担を軽減するためには、RFIDを活用した三点認証を導入するのがおすすめです。
RFIDの導入でお悩みがある場合は、お気軽にサトーにご相談ください。
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