
消費者から信頼され、継続して製品を購入してもらうには、品質管理が欠かせません。特に、食品は消費者が口にすることになるため、品質管理の重要性は非常に高いです。
食品の品質管理を徹底するには、具体的にはどのような取り組みが必要なのでしょうか。本コラムでは、食品業界における品質管理の重要性や課題、解決策などをご紹介します。
目次
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1.食品業界における品質管理の重要性

消費者がお店で食品を購入する際、おいしさや価格に加えて「衛生的な環境で作られているか」「異物混入がないか」「安全に口にできるか」といった食の安心・安全も求めています。
万が一食品に異物が混入したり、腐敗・変質が生じた場合には、消費者の信頼を失う可能性があるため、十分に注意しなくてはなりません。
健康被害を防ぐためには、品質管理を徹底することが不可欠です。
「安心・安全なうえに、おいしい食品」の提供によって消費者の満足度を高めることができれば、再購入も期待できます。
2.食品業界における品質管理の仕事

ひと口に品質管理といっても、業種によって遵守しなければならない規格や細かな検査項目などが異なります。
食品業界における品質管理では、以下に挙げられるような業務が一般的です。
- 食品の検査・分析
- 工場内の衛生管理
- 製品企画書の作成
- 従業員への衛生指導
- クレームや不適合品の原因究明
- 細菌検査
- 理化学検査 など
食品の品質管理を実施する際は「HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point:ハサップ)」に対応することが重要です。
HACCPとは、コーデックス(Codex Alimentarius:国際食品規格)委員会が発表している、国際的な食品衛生管理規格を指します。作成した衛生管理計画に沿った管理を行うことにより、食の安心安全を確保することが可能です。
食品衛生法の改正にともない、すべての食品等事業者にHACCPに基づいた品質管理の実施が義務付けられています。
HACCPの詳細については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
3.食品業界が品質管理で抱える課題

食品業界では、高水準の品質管理が求められることに伴って生じる、さまざまな業務が負担となっている現場も散見されます。
ここでは、食品業界が抱える課題の例をご紹介します。
多くのデータを管理する必要がある
原材料の入荷予定リストや製造指示書、賞味期限管理、出荷予定リストなど、食品の製造・販売に関わる現場では多くの帳票やデータを管理しなければなりません。
近年は、FSSC22000やISO22005、HACCPなど、食品安全システム・食品トレーサビリティの外部機関認証取得が取引条件になるケースも多いです。
このような取り組みに対して、手書きやExcel上への手入力などでデータ管理をし続けるは容易ではありません。
ミスを最小限に減らし、精度の高い品質管理を行うには、業務のシステム化が重要です。
要求される品質の高まり
食品業界は、人が口にするものを扱うことから、高い品質水準が要求されます。異物混入や表示ミスなどさまざまな問題が報道されており、消費者はより安心で安全な食を求めるようになってきました。
健康被害などのトラブルやクレームを防ぐことで、消費者への安心感の提供やブランドの維持が可能となります。
高い品質を維持するには、原材料の仕入れから消費者に届くまでの全ての段階でトレーサビリティが確保されていることが理想的です。
作業者ごとのスキルの違い
熟練作業者の退職や少子高齢化による人手不足、作業人員の国際化に伴って発生する課題もあります。
作業に対する知識量や言語への理解度の違いによって、人員ごとのスキルの差が大きくなり、安定した品質管理を困難にします。
4.食品の品質を向上させる方法

食品の品質管理を適切に行うためには、どうすればよいのでしょうか。
ここでは、品質管理を向上させる方法の例をご紹介します。
一般衛生管理の確立
食品業界においては、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を行う必要があります。
HACCPを効果的に運用するためには、5S活動や一般衛生管理を確立させることが前提です。
5S活動とは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」という5つの言葉の頭文字“S”を略した言葉です。職場環境を整えるためには、これら5Sの要素が重要です。
また、一般衛生管理とは、製造環境や従業員の衛生管理、衛生教育など、HACCPに基づく衛生管理を行う際に、取り組むべき土台となるものを指します。
これらの基本的な衛生管理を徹底するには、現場への浸透が重要です。温湿度などの記録作業はデジタル機器を使用する、衛生管理はステッカーやシールなどで実施内容を掲示するなどの取り組みが有効です。
トレーサビリティへの対応
食品業界は、原材料の仕入れから販売までの工程が非常に複雑です。
仕入れた食材を加工し、店頭へ運んで流通する流れの中に、多く工程が含まれています。
例えば、「原材料がどこから運ばれてきたのか」「加工や流通の工程に問題はないか」といった点を把握するためには、トレーサビリティに取り組み、各工程や流通経路を追跡できるようにして、透明性を高めることが必要です。
トレーサビリティに取り組むことで、原材料や製造ロット、工程といった情報が収集でき、リスク管理の強化や品質の向上につながります。
5.品質管理に役立つサトーのソリューション
ここでは、食品の品質管理に役立つサトーのソリューションを紹介します。
食品トレーサビリティシステム「Trace eye FOOD-Pro」

食品業界におけるトレーサビリティ構築を実現するためには、サトーのトレーサビリティシステムを導入するのがおすすめです。
原材料入荷から製造、出荷まで、クラウドでデータを管理できます。目視・手書きでのチェックをなくすことで、作業品質の向上が可能です。
また、ラベルの貼り付けや原材料管理、製造管理など、目的に応じてモジュール単位で導入することも可能です。
さらに、データ化に重要なラベルも現場の用途に合わせてご提案しています。異物混入対策に適した「メタルサーマル」はアルミを挟み込んでいるため、ラベルが食品に混入しても金属検出機で検出することが可能です。その他、水分やアルコールに耐性のあるラべルなどを取り揃えています。
食品トレーサビリティシステム「Trace eye FOOD-Pro」の詳細は、以下でご確認ください。
衛生管理表示シール

サトーでは清潔な環境維持に貢献する、「衛生管理表示シール」も取り扱っています。
判読性・視認性の高いデザインや多言語表記に対応し、確実な衛生推進が可能です。
また、多言語に対応した表記で、さまざまな国籍の従業員が働く現場でも役立ちます。システムと併せて導入することでさらなる品質管理の徹底に貢献します。
以下から食品製造向けのシール製品をご確認いただけます。
6.食品の品質管理はシステムで効率化しよう
食品業界では、安心・安全の高い水準の品質管理が求められます。
しかし、多種多様なデータ管理の難しさや、作業者によるスキルレベルや経験などの差、業務の属人化などによって、品質を一定に保ちながら管理することが難しいといった課題があります。
食品の品質管理を適切にかつ効率的に行うには、トレーサビリティシステムの導入がおすすめです。
食品の品質管理にお悩みの場合は、サトーにお気軽にお問い合わせください。
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- トレーサビリティ
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