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RFID導入のいろは

RFID(Radio Frequency Identification)は、製造、物流、小売、サービス、交通などさまざまな分野で今、注目を集めているソリューションです。働き方改革をはじめとした業務改善や、高度なセキュリティ対策はもちろん、マーケティング分野への活用など、多彩な展開が今後も期待されます。

しかし、RFIDについて興味はあるものの、導入を検討するにあたって、どのようなステップを踏んでいけばいいのか、またどのようなことに気をつけておくべきなのか、いまいちイメージが湧かないという人も多いかと思います。

そこでこの「RFID導入のいろは」では、事前準備から運用に至るまでの大まかなステップについてご紹介します。導入を検討する上での参考にぜひお役立てください。

STEP1:事前準備

(1)まずはRFIDがどのようなソリューションかを知ろう!

RFIDの導入を検討する際にまず大切なことは、RFIDが一体どのようなソリューションで、自社にどのようなメリットをもたらしてくれるのか、しっかり把握しておくこと。

RFIDは確かに便利なソリューションですが、なんでも解決してくれる魔法のツールではありません。場合によってはバーコードなどといった他のソリューションの方が適しているケースや、「なんとなく便利そうだから」とあいまいなイメージで導入してしまい、高いコストを支払ったのに思うような効果が得られない……なんてケースも起こり得ます。

そうした事態を防ぐためにも、まずはRFIDのソリューションとしての概要や特徴について知っておきましょう。

RFIDの5つのメリット

1.非接触で読み書きができる

バーコードのようにスキャナを正確に当てる必要がないため、離れたところ・高いところの商品などに対しても簡単に扱える。

2.隠れていても認識できる

読み込む対象物が見えていなくても、読み書きが可能。箱に梱包されている商品でも、箱の外から読み取ることができる。

3.一括読み取りができる

一度の読み取りで複数のICタグを認識できるため、作業時間の大幅な削減が期待できる。

4.データの書き換えができる

活用シーンに応じて、情報の追加や変更が簡単にできる。

5.セキュリティに優れている

RFIDに用いるICチップは複製が困難なため、強固なセキュリティ性を誇る。偽造防止にも役立つため、個人認証カードやチケットなどにも活用可能。

RFIDで用いられる主な周波数帯

無線通信を行うRFIDはさまざまな周波数帯を使用しており、それぞれ特長・得意分野があります。

1.UHF(860-960MHz)帯

通信距離が長く、広範囲の読み取りに適しており、複数読み取り性能も高い。アパレル店舗での活用が知られているが、物流現場での入出荷管理、バックヤードでの棚卸業務などにも適応性がある。

2.HF(13.56MHz)帯

近距離での確実な読み取りに適している。電磁誘導方式での通信は、水分や金属の影響を比較的受けにくい。工場などにおける生産工程での進捗管理や、医療機関での点滴パック用ラベル・患者のリストバンドなどで活用が期待できる。

3.NFC(13.56MHz)

かざして読む近接通信タイプの技術。社員証や学生証などの個人認証用途や入退出管理、またスマートフォンやタブレットと連携したサービス提供などにも向いている。

(2)的確な「現状分析」がRFIDの成否を分ける

RFIDがどのようなソリューションか把握したら、次は自社に存在する問題を整理し、現状分析を行います。

自分の会社が今、どのような問題を抱えており、RFIDを導入することで具体的にどのような改善が期待できるのか? ここで的確な現状分析ができるか否かが、RFID導入の成否を分けると言っても過言ではありません。

またRFIDは現状、導入コストがそこまで低いソリューションとは言えません。単純に導入にかかるコスト(初期投資費用)だけを見て、「そこまでして導入する価値があるのか?」と疑問を覚える人も多いでしょう。そのときに重要なのは、目先のコストではなく、トータルのコストで考えることです。

例えば年2回行っている棚卸業務を改善するために、新たにRFIDを導入する際、500万円の初期投資額がかかるとします。以下のような条件を設定した場合の年間コストを、現状とRFID導入後で比べると次のようになります。

Before(現状の作業条件)

  • 棚卸対象アイテム:10,000点
  • 1回の棚卸業務の作業人員:40人
  • 人件費:1人あたり2,000円 / 1時間
  • 1日の作業時間:8時間
  • 作業日数:3日間

年間コスト
40人×2,000円×8時間×3日間×年2回=384万円

After(RFID導入後の作業条件)

  • 棚卸対象アイテム:10,000点
  • 1回の棚卸業務の作業人員:5人(現状の1 / 8)
  • 人件費:1人あたり2,000円 / 1時間
  • 1日の作業時間:8時間
  • 作業日数:1日(現状の1 / 3)

年間コスト
5人×2,000円×8時間×1日×年2回=16万円

年間コストが384万円から16万円にまで大幅に削減できたことで、差額として1年で368万円ものコストカットができるようになりました。つまり2年目には、初期投資額の500万円を優に回収することができるのです。

またRFIDを導入することで、人海戦術を取っていたために発生していたヒューマンエラーの防止や業務精度の向上、現場の労働環境の改善も期待できます。このような場合は長い目で見ての導入メリットが非常に大きいと言えるでしょう。的確な現状分析は、後のステップで出てくる「トライアル」の精度を高めることにもつながります。

下準備としての「現状分析」にしっかりと力を入れておくことが、RFID導入を成功させる大きなカギとなるため、その重要性をしっかりと認識してください。

STEP2:ツールの選び方

現状分析が終わったならば、次はツールの選定に移ります。RFIDに使用するツールは「タグ」と「リーダ」の主に2つから構成されます。それぞれ、大きく以下のような種類があります。

タグ

この表はスクロールしてご覧いただけます。

名称 概要 メリット デメリット
ラベルタグ シール状のものがメイン。
対象物に簡単に貼りつけることができる。
カード型やリストバンド型などに加工がしやすい。
情報も簡単に書き込めるため、幅広い用途に使用できる。
コストも比較的低い。
紙でできているため、耐久性にはやや欠ける。
また金属製品に用いることはできない。
特殊タグ 樹脂などでモールドされたものがメイン。
ラベルと異なり、一般的に固く、厚みがある。
高い防熱性や耐水性を誇る。
雨風にさらされる場所など、ハードな環境下での使用に耐えうる高い堅牢性。
ラベルタグと比べてコストが高い。

リーダ

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名称 概要 用途
ハンディタイプ 作業者が持ち運んで使うタイプのリーダ。 「動かないモノ」に対して用いられることが多い。
棚卸などのバックヤード業務や資産・物品管理などのシーンで活躍する。
据え置きタイプ ゲート型や卓上型など、特定の場所に設置して使用するタイプのリーダ。 入出庫管理や生産ライン管理、セキュリティ管理など「動くモノ・ヒト」に対して用いられることが多い。
商品を置くだけで一括精算できるレジカウンターや防犯ゲートなどの使い方も。

ツールを選ぶ際には、RFIDソリューションを提供している専門企業に相談を持ちかけることが一般的かと思います。これらのツールは導入環境やタグを貼りつける対象物によって、パフォーマンスが大きく左右されることもあるため、パートナー企業の担当者に現状分析を行った結果を共有しつつ、RFIDを導入する現場がどのような環境なのか、実際に足を運んで確認してもらいましょう。

またタグを貼りつける対象物によっても、貼りつけ方や貼りつけ場所のコツが違います。

タグの貼りつけ方(タギング)の例

梱包物

従来の保管方法から変更することで改善。
タグの貼付方法によっても読取り精度が大きく変わります。

工具

持ち手や刃先に近い箇所に貼るのは避ける。

リテール

水分の影響を受けにくい位置にタグを貼付。
金属の影響を受けないようにタグを立てて取り付け。

タグの貼りつけ方もまた、読み取り精度を大きく左右する重要な要素です。商材ごとに貼り方を検討する必要があるため、タギングのコツが分からないときはパートナー企業に相談してみると良いでしょう。

STEP3:トライアル

ツールを選定したら、次はいよいよトライアル(実証実験)に移ります。トライアルで重要なのは、限りなく本番に近い環境で実施すること。ツールもまた実際に導入を想定しているリーダ・タグを用いることが必須です。

本番環境は金属機器がたくさん設置してある工場内なのに、通常のオフィス内などの異なる環境下でトライアルを行ってしまっては、再現性が低くなってしまいます。さまざまな事情で、本番と同様の環境でトライアルを実施することが難しいケースもあるかと思いますが、運用開始後のイレギュラーな事態の発生を防ぐためにも、導入担当者はスケジュール・社内調整をうまく行いながら、本番環境あるいは限りなく本番に近い環境で、トライアルを実施してください。

トライアル時のチェックポイント例

  • 選定したタグのサイズや耐久性は適切か?
  • タグの貼りつけ位置は適切か?
  • 通信距離やタグの読み取り量は適切か? リーダは問題なく作動するか?
  • 読み取る対象となるモノ・ヒトの動き(動線)は適切か?
  • RFID機器に干渉する機器や要因は周囲にないか?
  • 作業効率はどれくらい向上したか?

導入規模によって、トライアルの規模感・実施期間はケースバイケースです。簡単な検証だと数日程度、長いものだと1年近く行う場合もあります。トライアル期間を充分に確保できれば、それだけ得られるデータの精度も向上します。またトライアルをトップダウンで強引に進めてしまうと、現場の状況と乖離した本末転倒な運用体制になってしまう事態も起こり得ます。そうした事態を防ぐためにも、実際に現場で働く人たちの意見や手応えを都度ヒアリングしながら、より現場目線からの検証を行うことが重要です。

STEP4:運用開始

トライアル実施後、効果が見込めそうなことが確信できたら、いよいよ運用開始です!いざ運用を開始してからも油断は禁物。トライアル時には想定していなかった問題が発生することや、思うような効果が得られないケースもあるはずです。そのような場合は、なぜそのような問題が発生したのかあらためて分析したり、パートナー企業に相談したりしながら、都度体制を見直して、より良い運用サイクルを柔軟に構築していきましょう。

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