CO2排出量削減による地球温暖化抑止は、持続可能な社会の実現のために必須の活動となっています。その責任を全うすべく、サトーグループは事業活動におけるCO2排出量を把握し、具体的な削減策を推進しています。
事業活動における環境負荷低減のグローバル中長期目標として、「2030年度CO2排出量目標:2019年度対比50%削減」を設定します。
※当社はこれまでGHG排出量削減の基準年を、Scope 1、2を2016年、Scope 3を2021年としていましたが、蓋然性と実効性を考慮し2019年へ統一しこれを変更します。
中長期の環境経営目標と進捗
取り組み項目:日本における環境負荷低減の進捗と中長期目標
GHG排出量の実績と目標
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対象範囲 | 項目※ | 2019 年度実績 |
2022 年度実績 |
2023 年度実績 |
2024 年度実績 |
2030 年度目標 |
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グローバル | Scope 1、2 | 14,019 | 10,592 | 14,061 | 11,404 | 7,010 |
2019年度対比 | - | △24.4% | 0.3% | △18.7% | △50% | |
日本 | Scope 3 | 317,836 | 321,951 | 324,463 | 329,219 | 222,485 |
2019年度対比 | - | 1.3% | 2.1% | 3.6% | △30% |
- ※Scope 1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
- ※Scope 2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
- ※Scope 3:Scope 1、2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
- ※Okils社/X-pack社を除く
変動要因分析
海外の主要なプリンター製造拠点および日本国内の主な拠点において再生可能エネルギーの利用を推進したことが、GHG排出量の削減につながりました。特に、2023年度のGHG排出量増加の要因となっていた日本国内の主要拠点である北上事業所において、CO2フリー電力の利用を再開したことが、Scope 2排出量の大幅な改善に寄与しました。これらの取り組みの結果、サトーグループ全体でのGHG排出量は前年対比で約19%の削減となりました。
削減方法
Scope 1およびScope 2においては、2024年度までに、海外の主要なプリンター製造拠点および日本国内の主な拠点における太陽光発電の導入・調達を完了しました。今後は、海外および国内拠点の中から、エネルギー使用量の削減効果が高い拠点を選定し、優先的に取り組むことで、再生可能エネルギーへの切り替えを一層推進してまいります。
Scope 3においては、排出量の構成比が高いカテゴリー1(購入した製品・サービス)、11(販売した製品の使用)、12(販売した製品の廃棄)を重点課題と位置づけています。これらの領域に対しては、主要製品に関する環境製品宣言(EPD)の算定結果を活用することで、製品ライフサイクル全体における環境影響の可視化と、定量的なGHG排出量削減への取り組みを強化します。
これまでに取り組んでいる、更新を行ったプリンターの回収スキームの拡充や、使用済みインクリボンおよびラベル剝離紙のリサイクル促進など、既存施策のさらなる推進に加え、当社ソリューションを通じた排出削減貢献にも着目し、循環型社会の実現に資する取り組みを進めます。
取り組み① 自己消費型発電設備(太陽光発電システム)の導入
CO2排出量削減による地球温暖化対策を積極的に進めるため、2018年に日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)の賛助会員となりました。JCLPは、持続可能な脱炭素社会の実現には産業界が健全な危機感を持ち、積極的な行動を開始するべきであるという認識の下に設立された日本独自の企業グループです。JCLPへの参画を通じ、賛助会員である太陽光発電システムメーカーと連携し、2020年9月に自己消費型発電設備を北上事業所に導入しました。年間発電量は想定で約22万kWh、年間CO2排出削減量は約115 t-CO2になります。

取り組み② 再生可能エネルギーへの切替え
特殊なバーコードプリンターの開発・製造およびシール・ラベル商品を生産する北上事業所(岩手県北上市)は2020年10月、再生可能エネルギー供給電力会社と新たに契約を締結し、北上事業所で使用する電力を全て再生可能エネルギー(調整後排出係数ゼロ)に切り替えました。この切り替えによる年間CO2排出削減量は約1,214 t-CO2になります。今後、他拠点についても再生可能エネルギーへの切り替えを積極的に進めていきます。
取り組み③ 物流拠点の全照明機器のLED化
2019年から進めておりました日本の物流拠点2ヶ所(埼玉県加須市、奈良県大和郡山市)の全照明機器のLED化が2021年2月に完了しました。この切替えによる年間CO2排出削減量は約86 t-CO2になります。
取り組み④ SVC/SMMにおける再生可能エネルギーの利用
ハンドラベラーおよびプリンターの主要な製造拠点であるSATO Vietnam Co., Ltd.(SVC)において、国際的な再生可能エネルギー証書であるI-REC(アイレック)の活用を2024年10月より開始しました。
SVCでは、年間約1,228MWh※の電力を消費していますが、100%再生可能エネルギー由来の電力調達となります。
さらに、2025年3月からはプリンターの主要な製造拠点であるSATO Malaysia Electronics Manufacturing Sdn. Bhd.(SMM)においても同様の取り組みを進め、SMMの年間消費電力約2,096MWh※を再生可能エネルギー由来へ切り替えることとなりました。
これにより、サトーグループのプリンターおよびハンドラベラーの主要な製造拠点において、100%再生可能エネルギー調達へ切り替わります。これは、年間約2,143トンのCO2排出量削減効果となります。
- ※電力使用量は2023年度実績
- ※I-REC(International Renewable Energy Certificate)とは、再生可能エネルギーで発電された電気の「環境価値」を証書化し、国際的に取引・証明できる仕組みです。主にアジアやアフリカなど60か国以上で利用されており、発電方法(太陽光・風力・水力など)や発電地などの属性情報が明示されます。