人的資本強化を「グループへ展開」していくにあたり、”Perfect and Unique Tagging”を中核とする中期経営計画達成に向けたリーダーシップの強化と人的資本関連のグループガバナンスの実効性強化を図っています。

指名諮問委員会における経営チームの選任
取締役会の諮問委員会として、指名・報酬諮問委員会が位置づけられています。社内取締役および執行役員の選任にあたっては、事前に設定した役員の選任要件と候補者アセスメントに基づき、指名諮問委員会にて、持続的経営と企業理念の推進に強力なリーダーシップを発揮できる人を選任しています。
人財開発委員会における人財能力開発の方針策定と実行支援
2022年度より、指名諮問委員会の下部組織であり、人的資本経営とその実施施策に関する執行側の意思決定機関として、「人財開発委員会」を設立しました。日本籍の執行役員全員で構成され、原則毎月1回、事業継続や戦略実行に必要な中核人財の育成や各種人財マネジメント施策の検討/決定/モニタリングを行っています。具体的なアジェンダとして①指名諮問委員会と連携しての後継者計画の策定準備・検討、②事業継続や戦略実行に必要な中核人財育成および多様性の確保を含めた人財関連施策の強化のための取り組み検討、の両面があり、「指名諮問委員会設定の課題の検討/直近の課題解決・対応検討」からスタートし、「人財選抜・配置・育成など人財マネジメントの施策検討」など徐々に検討範囲を拡げ、「戦略的人財投資(人財ポートフォリオ、等)」の検討を並行して議論できる体制へと実現していきます。

グローバル一体での人事体制
四半期毎のグローバルミーティング開催
グループ全体のガバナンスを強化していくために、日本本社および海外拠点の人事が一同に集まるオンライン会議体(Global HR Synergy Meetup)を四半期毎に開催しています。本社の海外人財部が中心的な役割を担いながら、グループ全体で目指す方向性を共有するとともに、グループ共通の施策の説明・展開・支援・モニタリングを行っております。

人的資本観点からの海外拠点のガバナンス強化
グローバルグレードに基づく報酬ベンチマーク
海外子会社向け人事施策として、2021年度に海外人財部主導で現地管理職層にグローバルグレードを導入するとともに、世界各国での報酬ベンチマークを実施しました。2022年度からは、現地採用拠点ヘッドに対して各国報酬水準に基づく報酬改定を実施しており、拠点ヘッドの外部採用や内部登用の際の報酬設定にも活用しています。
海外拠点向けの中核人財育成施策
将来の経営候補(中核人財)の計画的な発掘・育成施策としてリーダーシップ・デベロップメント・プログラムを開始しており、2022年度はこの一環としてエグゼクティブ・アセスメントを実施し、現地採用拠点ヘッドの強み・弱み・育成課題を抽出しました。同様のアセスメントは、国内の部長以上層全員にも簡易版を実施しています。このアセスメント結果を踏まえ、研修・タフアサイメント等の育成施策を実施し、中期での配置・登用に繋げていく予定です。2023年度から、サトーグループの管理職として最低限必要なマネジメント知識やスキルを向上させるべく、海外のライン長を対象としてた共通の研修プログラムの実施をマネージャー層から開始しました。2025年度からはシニアマネージャー層に展開することを予定しています。今後も、国内および海外の管理職層に対して、中核人財の発掘・育成に向けた人財開発施策を展開してまいります。
海外拠点におけるHR Auditの実施
2024年に一部の海外拠点で発生した人事労務関連の問題に対応するため、本社の海外人財部が現地に入り、現地の人事関連規程の見直し、人事労務管理の運用改善、目標評価制度の適正化、報酬体系の再構築など、包括的な対応を実施いたしました。
今後は、海外各拠点の人事機能の強化とガバナンスの向上を図るとともに、同様の問題を未然に防ぐため、特に東南アジア地域の拠点を中心に、HR Audit(人事監査)を計画的に実施していく予定です。このような取り組みを通じて、グローバル全体での人事制度の整備と運用の質向上を目ざしてまいります。