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TCFD提言への対応

サトーグループ(以下、サトー)は、気候変動が社会全体に与える影響の大きさを認識するとともに、この問題への対応を重要な経営課題の一つと捉えています。その観点から「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」の提言に対して2021年に賛同を表明し、提言を踏まえた気候変動への対応を進めています。

はじめに:気候変動対応の基本的な考え方

サトーは、優れた製品・サービスでお客さまの新たな価値を創造し、より豊かで持続可能な世界社会の発展に貢献することを企業理念における使命としています。
持続可能な社会への貢献は本業と不可分のものと捉え、サステナビリティを経営の根幹に据えています。2018年にはサステナビリティへの取り組みの基本方針を策定しました。
この取り組みの中で、サトーは以下の2つを軸として低炭素社会の実現に貢献するとともに自社の企業価値向上をめざしています。

  1. 本業を通じたお客さまへのソリューション提供による生産性向上を通じ、温室効果ガス(以下、GHG)削減を含めた価値の提供をめざす。
  2. 自社の事業活動におけるGHG排出量の削減やグリーン調達、リサイクル対応力の強化を計画的に進める。
    (事業活動を通じたGHG排出の実績や目標は、「4.指標と目標」をご参照ください)

サステナビリティの推進にあたり、サトーは「お客さまへの提供価値」、「価値創造基盤」、「地球環境」の3つのカテゴリーに分けてマテリアリティ(経営の重要課題)を特定しています。カテゴリーごとの気候変動対応の取り組み例は、以下の通りです。

お客さまへの提供価値
環境配慮型商品の提供、ソリューション導入に伴うお客さまのGHG排出量削減支援
価値創造基盤
CSR調達推進に向けたサプライヤさまへの働きかけ
地球環境
太陽光発電システムの導入、再エネ電力調達への切り替え、植林活動や生産・物流の最適化

今後、TCFD提言に基づいた継続的なシナリオ分析を通じて開示の質と量を充実化させていきます。その上で、サステナビリティに対する取り組み強化を通じ、社会的価値の創造、および企業価値の向上に努めます。

TCFDに基づく情報開示

1.ガバナンス

サトーは、2021年度を初年度とする中期経営計画において、「Tagging for Sustainability」をめざす事業コンセプトとして定めました。また、成長戦略三本柱の一つとして「ESG経営の強化」を掲げ、環境負荷低減への貢献、人的資本の強化およびコーポレートガバナンスの強化に取り組んでいます。
取締役会の監督の下、サステナビリティ推進委員会(委員長:サステナビリティ推進部長、以下、委員会)は、執行部の最高意思決定機関である執行役員会直属の委員会として、グループ全体の気候変動を含むサステナビリティを巡る課題への対応を推進しています。委員会には、経営企画部門や事業部門などの主要メンバーが参画し、サステナビリティに関わる活動と経営・事業戦略との融合を図っています。
委員会の審議事項のうち経営戦略や経営計画に影響を与える重要事項は、委員会での審議・報告内容を踏まえ執行役員会に付議され、総合的な意思決定を行っています。
取締役会は、代表取締役 社長執行役員 グループCEO(執行役員会議長)を気候変動担当役員に選任し、また気候関連課題対応状況や目標管理進捗等について、執行役員会を通じて委員会に定期的な取締役会への報告を義務付けています。

気候変動を含むサステナビリティ課題対応の推進体制

2.戦略

サトーは、2021年度よりサステナビリティ推進部長をリーダーに社外アドバイザーも活用し、TCFDの枠組みに基づくシナリオ分析を通じ、気候変動に関するリスクと機会の識別および重要度評価、シナリオ群の定義、事業/財務インパクトの定量評価、リスク・機会を踏まえた対応策の策定を行っています。
シナリオ分析では、サトーが属する自動認識ソリューション(AIDC)業界および多様性に富むお客さまの業界から主要なものを選定し、国際エネルギー機関(International Energy Agency)等の科学的な情報に基づく以下2つのシナリオにおける中長期(2030年、2050年)のAIDCおよびお客さまの業界の世界観を描き、サトーへの影響を考察しました。

  • パリ協定努力目標の1.5℃シナリオ:21世紀末の地球の平均気温が、持続可能な発展の下で、産業革命前と比較しておおむね約1.5℃以下の上昇に抑えられるシナリオ
  • 気候変動対策・規制等が進まない4.0℃シナリオ:有効な気候変動対策が導入されず、同4.0℃前後上昇するシナリオ

いずれのシナリオのもとでも、サトーは分析対象業界において、レジリエントな経営を行うことが可能と確認しました。1.5℃シナリオでは、脱炭素化に向けて政策の大きな変化が想定され、炭素税の導入や原材料価格の高騰、より脱炭素なビジネスモデルへの転換が求められます。他方、4.0℃シナリオでは物理的リスクの影響が高まり、工場の操業停止やサプライチェーンの断絶といったリスクへの対応が必要となります。

世界観の例


1.5℃シナリオでは、希少資源等の需要増、循環型材料の採用や森林資源の枯渇による原材料コスト上昇の影響が大きい一方、環境配慮型商品やソリューションの需要増加、サーキュラーエコノミーの実現に向けたサトーのタギング技術による信頼性の高いトレーサビリティの担保に大きなビジネス機会があると認識しています。
他方、4.0℃シナリオでは、異常気象や自然災害の影響等に起因する事業継続リスク、物理的リスク対応コストの増加の影響が大きいと捉えています。
サトーは「持続可能な社会への貢献」を企業理念に掲げており、1.5℃シナリオに即した対応を進める一方、4.0℃シナリオについてもリスク管理の観点で対応策を講じてまいります。
シナリオ分析の結果、リスクに対してはGHG排出量削減やCSR調達体制の確立、サプライチェーンにおけるBCP(事業継続計画)対応力の強化など、主に自社で取り組む対応策が明らかになりました。他方、機会に対しては、環境配慮型商品やソリューションの開発・拡販、データ収集・活用ビジネスの拡大など、主にお客さまを中心とした社会へ価値を提供する対応策が見出されました。

気候変動に関わるリスク・機会の評価と対応策

3.リスク管理

シナリオ分析においてリスクを識別した上で新たな規制上の要件を含む関連パラメータを抽出し、定期的に更新します。それらを元に各リスクの事業/財務インパクトを定量的に評価することで、リスクを管理します。
気候変動リスク評価の結果は、執行役員会に定期的に報告し確認を受ける他、取締役会へ報告し、全社のリスク管理と連携させます。また物理的リスクについては、リスクマネジメント委員会と連携し、リスク/危機管理を実施します。
今後もサステナビリティ推進委員会主導の継続的かつ組織横断的なシナリオ分析を通じ、その精度を高め、経営・事業戦略との統合を志向します。

4.指標と目標

GHG排出量削減による地球温暖化抑止は、持続可能な社会の実現のために必須の活動となっています。その責任を全うすべく、サトーは事業活動におけるGHG排出量(Scope 1&2)を把握し、具体的な削減策を推進しています。
Scope 1&2の削減目標として、2021年4月に日本政府が表明した温室効果ガスの削減目標を参考としつつ、より踏み込んだグローバル中長期目標を「2030年度 GHG排出量目標:2016年度対比50%削減」に設定しました。加えて、2050年度のカーボンニュートラル(GHG排出量実質ゼロ)を目指すことを宣言しました。これらの達成に向けた再エネ活用拡大や省エネ推進の主な施策も開示しています。
サプライチェーンにおけるGHG排出量(Scope 3)についても、「2030年度GHG排出量目標:2021年度対比30%削減」を設定しました。サプライヤへの働きかけと協働、リファービッシュ部材の採用、製品の省電力化、リサイクルの推進などにより、Scope 3のカテゴリー1(購入した製品・サービス)および同11(販売した製品の使用)、同12(販売した製品の廃棄)を中心に、削減を進めます。

今後は、Scope 1~3に加え、サトーが提供する商品やソリューションによってお客さまの現場で貢献しているGHG排出量削減についても可視化の範囲拡大を進めます。前述のカーボンニュートラルにScope 3および削減貢献量を加え、長期的にはカーボンマイナスを目指します。またシナリオ分析によって明らかになる重要指標やマテリアリティに関連した指標の実績や目標も、今後の選択的な開示の検討を進めます。

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